新型コロナ

2021年の3月頭に、新型コロナウイルスによる感染者拡大をうけて発令されていた、一都三県(東京・千葉・埼玉・神奈川)の緊急事態宣言が2週間延長されることを政府が発表しました。

これ、正直なところ、延長が決まる2週間くらい前から、たとえば東京都の新規感染者数は、300人前後/日でずっと推移している印象で、

追加で何かの対策を立てないと、何もしなければ自然と減っていく印象は、一般人から見てもありませんでした。

にも関わらず、都道府県の首長である知事からは、なにも具体的な追加対策の話が出てこないことを見るにつけ、この国の地方自治も機能していないなぁ、と思い、そのことを記憶に留めておきたいと思います。

自分たちが延長要請をしようとして結果が出されたのだから具体策は自分で出せと言いたくなる

ちなみに、政府の緊急事態宣言の延長は、一都三県の知事たちが集まって、延長要請を共同で出そうという動きを取った矢先に出されたことらしいです。

で、なぜそうなったかというと、これはメディアの情報を鵜呑みにするなら、知事たちが要請する→政府が動くという流れになると、政府が要請を受けてやっと動くという印象を国民に与えてしまう、

コロナ対策が後手になっているという、(本当は自分たちこそ掛け声だけで何もしていない)知事たちからの責任転嫁を抑えるため、ということらしいです。

もしそうだとするならば、

知事たちが要請した時点で、何らかの追加案が知事たち側になく、そのことを政府に責任転嫁できると思って要請をしようとしたのであれば、本当に無能以外の何ものでもないと思います。

ちなみにこの時点の知事を備忘的に列挙しておきたと思います。

※敬称略
東京都 - 小池百合子
千葉県 - 森田健作
埼玉県 - 大野元裕
神奈川県 - 黒岩祐治

私が思うに、もし何らかの追加対策案を出せるとしたら、それは知事以外にはありえないと思います。

というのは、日々の新規感染者の動向や、保健所による感染ルートの調査などは、すべて現場(都道府県レベル)で集約されているはずで、

だとすると、現場の状況に即した対策案を出せるのは、都道府県レベルでしかありえないと思うからです。

言うまでもなく、政府(国)は、都道府県から上がってくる情報を集約して判断することになるわけですから、スピードは都道府県より遅れるし、対策も十把一絡げ的なものにならざるを得ないはず。

こんなことは、社会人をやっていると容易に想像できることです。

知事たちは、日々に自分たちの足元から上がってくる情報を分析しているのでしょうか。

情報分析を、スピーディに個別具体的に検討できるのは、都道府県レベルだというのに、とつくづく思います。

たとえば、一都三県のそれぞれから上がってくる情報を集約して、一斉に方針を決めなければいけないとして、どうして東京と埼玉が同じ施策になりえると言うのでしょうか。なりえないと思います。

会社に例えると、社長が指示を出さないと何もしてない部門長級と同じ印象

ちなみにこの構造は、日本をひとつの会社に例えると、各部門の具体的な動きに対して、社長からの具体的な指示がないと動けない部門長級と一緒で、これは普通、無能と言われています。

社長が示すのは、企業のあり方だったり、方針だったり、数字目標だったりで、基本的なことが多くなります。

それを受けて、現場が何をすべきであるかを考えて実行しているのが、組織だと思います。

ということは、まずもって、知事レイヤーにいる人たちは、指示待ち人間であるということになると言えそうです。

そんななかでも、大阪府の吉村洋文知事は、積極的にご自身から動かれていた印象です。

が、一方で、首都圏の知事たち、特に、私が東京都民ということもありますが、小池百合子知事は、毎度の会見ではフリップボードを使うだけで、何も中身のないようなことばかり言っていた印象です。

いや、中身がない、というよりは、東京都の現状に即した内容ではない、というものです。

あるいは、ご自身で決断したという内容ではない、というものです。

つまりは、ご本人が責任が伴うようなコロナ抑制施策は何ひとつやっていない、という印象しかありません。

ちなみに私は、小池知事の就任時の、豊洲市場の放置を見るにつけ、自身で判断せずにずるずると時間だけが過ぎてウヤムヤにする人だという印象がずっとあります。

記憶の糸 - 過去記事後味の悪い日本の今年の醜態メモ(2017年)

中央集権が効きすぎて地方自治が無力化しているのかもしれない

で、ここまで都道府県知事レイヤーへの批判を書いてきましたが、

これは日本国の構造的に、中央集権が効きすぎて、地方自治が育たない、あるいは地方自治をできる人材が育たない環境になっているのではないか、と思います。

私が以前の読書で知ったこととしては、中央集権は地方自治の芽を摘むのです。

そして、地方自治が衰退すると、将来のリーダーシップをもった人は出てこないのです。

記憶の糸 - 過去記事ハイエクを読む ~地方自治に関するメモ~

記憶の糸 - 過去記事危機感は情報、行動力は自治から生まれ、その完遂には技術が必要

今回のコロナで、テレワークなどの普及により、大都市でなくても仕事が継続できる環境が整ってきて、地方への移住に流れる動きも出てきているように思います。

そうやって、一度は大都市に集まった人財が再び地方に返っていくことで、地方自治の機運が高まっていってくれればと思う今日このごろです。

追記:小池百合子知事はウソを平気でつく人(2021年3月8日)

このブログを書いた翌日に、上記の延長申請の知事たちのやり取りを、神奈川県知事が公開してくれました。

小池知事のやり方は悪質だと思います。ハブになっている自分が嘘をつけば、相手が確認しなければ分からないという騙しを平気でやっている人なんですね。こんな人が都民に対して情報発信していると思うと、その真偽はまったくの不明ということでゾッとします。

神奈川県の黒岩知事は、7日放送のフジテレビ「日曜報道 THE PRIME」に出演し、新型コロナウイルスの緊急事態宣言の2週間再延長をめぐり、1都3県共同で政府に延長を要請しようとした小池東京都知事との水面下のいざこざを暴露した。(略)

番組の中で黒岩知事は、緊急事態宣言延長に関して、小池知事ら1都3県の知事の間でどういういきさつがあったのか問われ、次のように語った。

「月曜日(3月1日)の段階で小池知事から電話をいただき、どうでしょうかと。神奈川はステージ2の状態なのでもう少し様子を見させてくださいと申し上げました。でも小池知事はやはり延長せざるをえないでしょうと言うから、もう少し待ってください、もう少し数字を見たいと話した。そうしたら火曜にいきなり今日は西村大臣に会いに行きましょうみたいな話になり、えっ!となった。文書が出てきて見ると2週間延長要請すると書いてあったんですよね」

黒岩知事は、政府に2週間延長の要請をしようと呼びかけた小池知事に対し、「これ持って行くの?まだ話していないじゃない」と疑問を呈したという。さらに黒岩知事は、千葉・埼玉の知事の意向を確認したところ、意外な事実が判明したと語る。

「あれ、これ他の知事は(延長要請について)大丈夫なのかなと言ったら、(小池氏は)森田千葉県知事は賛成している、大野埼玉県知事も賛成しているというので、私、直接電話したんです。そうしたら森田知事が、(小池氏が)黒岩知事が賛成するからと言うからじゃあ俺も賛成と。大野知事もそうだというから、え、そんなこと僕賛成していないですよと。そうなんですかと。それでちょっと待ってくれ、2週間延長なんていう話考えていないと」

黒岩氏は、その時点で既に菅首相が延長の是非について「私が決めます」という話をしていたので、1都4県の知事の意向を一つにまとめなくてもいいと思ったという。延長するなら2週間では無く3月31日までという考え方もあるし、いったん宣言を解除した上で対策を続け、再び感染者数が上がってきたら蔓延防止等重点措置をかけるなど、2週間延長以外にも様々なパターンを想定していたという。黒岩氏はその上で、小池知事とのその後のやりとりについても明らかにした。

「その後に西村大臣、西村大臣(への要請)という話があったので、それは無理ですよと言う話で、我々は西村大臣との会談は無しにしたんですね。3日連続でウェブ会議があったので、我々率直にものを言いましょうと言って、(小池氏に)はっきり申し上げました。1都3県の足並みをそろえる大事な時なのに、こういうことを言うと信頼関係が薄れますよと。信頼関係あっての1都3県の足並みそろうということでしょう。こういうのはダメだ!それはおかしい!と言いました。小池知事から先走ってしまってごめんなさいと言うので、私はそれ以上のこだわりはないですから一緒にやっていこうとなりました」

この話を受けて、田村厚労相は緊急事態宣言の2週間延長を決めるプロセスについて、菅首相と関係閣僚の協議で、病床の状況を懸念し数字上解除は難しいという判断があり、延長するなら方向性を早く出さないと行けないということであのタイミングになったとの認識を示した。

以下、略

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