コロナは、「IT化・デジタル化によるライフスタイルの変化」という時代の動きを加速させたと思います。
これから数十年かけてゆっくりと進行したであろう社会の変化を、一足飛びに進行させたと言えると思います。
それは、良いところも悪いところも、という印象です。
コロナ環境下で衰退に追い込まれるような産業は、今後は不要なものになっていく産業だと言えます。
コロナ下で伸びている産業は、いま存分に伸ばしてみて、早めにその副作用を検証せよと、時代が言っているように思います。
だからコロナの流行は、社会規模での断捨離を進めてくれていると言えます。
たとえば、以下のとおりです。
外食・レジャー産業の不要なもの
これは、ある意味ではコロナが始まる前から進行が始まっていることであります。
旅行費の減少や、飲食店の飲み会の減少も、企業の団体需要は減り続けてきました。パワハラやセクハラが社会の表舞台に登場してからもうずっと減少を続けているといえます。
いまパワハラ・セクハラを受けている世代が中堅以上になるころには、会社需要の旅行・飲食店利用は激減することでしょう。
だから今、ギリギリでやっているところはさっさと潰れてしまって、その従業員を、社会の別の産業に配置転換したほうが、向こう何十年でみた時に、絶対に有意義だと思います。
大企業における不要なもの
これはもう間違いなく通勤です。それから、無駄な会議。
されに付け加えると、アウトプットがない社員。
掛け声だけとか、雰囲気で仕事をしていた人は、もともと本当に邪魔な存在なので、この際、さっさと転職をした方が、社会全体としての適材適所が進むことと思います。
ただし、先輩からスキルを盗むべき新人や若手は、この状況は本当に気の毒だと思います。
インプットされる物理的な経験量の絶対値が減るからです。
成長のスピードは、いっそう自分から取りに行かないと、絶望的に遅くなることでしょう。
友人・家族らとの生のコミュニケーションという必要なもの
家にいると出会いが減ることによる影響が浮き彫りになると思われます。
日々の生身のコミュニケーションがどれほど大事であるか分かってくることでしょう。
喜怒哀楽はすべて人との関わりのなかで発生し、それによって人は内面の成長をします。
その「人との関わり」をオンライン上で極小化してしまう結果、何が起きるのか。
1年、2年では、分からないかもしれませんが、5年、10年たてばハッキリとわかるでしょう。
矮小化された個人が残ります。
今の時代でいわれるところの「コミュ障」は加速されるでしょう。
そして社会の一角に、コミュニケーションをしなくても済む社会階層を作り上げると思います。
その階層は、恐らく搾取される階層になると思われます。
なぜなら、お金もまた、ヒトからヒトへと渡り歩くものだからです。
衣食住で不要なもの
外に出ることで影響を受ける衣。この影響、つまりは「人に見られること」への意識がなくなれば、人間としてのあらゆる美的感覚が劣化することでしょう。
それから、中途半端な用途(ちょっと他所行き的なもの)で買っていた服はいらなくなるでしょう。徹底的に「家の中のもの」と、徹底的に「よそ行きなもの」しかいらなくなるからです。
だから「外」と「家」の中途半端な「衣」におカネをかける必要はなくなります。
結果的に、中途半端服飾ブランドは没落すると思います。
これもまた、普段、外に出て身体を動かしていればこそ、気にならなかった栄養の課題が顕在化するでしょう。
在宅ワークで運動量が減って体調を崩しやすくなった人にとって、コンビニ弁当やファーストフードは要らないということです。
それから、昼間は仕事で、自宅なんて夜しか居ない前提だったから気づかなかった「住環境」が与える精神的ストレスなどが顕在化すると思います。
安物の椅子や、安物のソファー、安物の布団・枕では、運動が減って疲れが溜まりやすい身体には不要ということです。この領域は、中途半端以上の品質が残ることだと思います。
安かろう悪かろうの商品は売れなくなることでしょう。
そのような次第で、衣食住についてはメリハリを効かせることが重要になってくると思います。
コロナは、衣食住すべてにおいて、しかるべき投資をして、自分が劣化しないことに重点的におカネを使うことの重要性を教えてくれていると思います。
総括:不要なモノコトは無くなっていく。しかし、必要なモノコトを意識して取り込まないと単にやせ細るだけでしょう
総括すると、見出しのとおりだと思います。
不要なものは、半強制的に淘汰されていくことでしょう。
社会の新陳代謝が進むので、喜ばしいことだと思います。
ただ、必要なものを明確に意識して取り込んでいかないと、不要なものが気づかずに与えてくれていたものが無くなるので、心身ともに貧弱になる流れも確実にあります。
それは1年2年では気づかないと思います。
3年5年でチラホラ目立ち出し、5年10年で恐ろしく目立ってくるのではないでしょうか。
ちょうど、働き方の多様化とか言って、派遣がもてはやされて、結果10年もして、非正規社員でいることが、社会不安の大きな要素になっているのと同じ経緯をたどることになると思います。