私はいま37歳にして転職活動をしています。
その転職活動を通じて、何をアピールすべきか、という点において、ひとつの確信に至ることがありました。
それは、「できること」と「やりたい」ことのうち、「できること」に話を絞ることです。
「できること」に話を絞ると、その面接の場でのやり取りは、どういう展開になるかというと、
その「できること」を、その会社が求めているポジションのどこにフィットできるか、という話になるのです。
で、「できること」であるがゆえに、話はとてもシンプルになるし、自分の知っていることを話すことになります。
面接対策などで、こう聞かれたらこう答えようという準備も不要です。
むしろその「こう答えよう」のなかに、自分が「できないこと」が含まれていて、それで入社したとしても、その後が辛いのです。
社会人のなかで、自分が「できない」や「不得意」という仕事を振られたときの辛さは、分かっているはずです。
であるならば、自分が「できること」から逸脱したポジションを勧められても、無理して入ろうという気は決して起きないと思います。
入社したてだと、仲間もいないため、相談もしづらく、その状態で「できない」ことを任されて、そこで結果を出そうとしても、
「できないこと」なのだから、仮にできたとしても、品質は悪くて評価されず、おそらくは「失敗」してしまうことだと思います。
そして早くも、転職活動に失敗した、、、と後悔してしまうのです。
しかしながら、「できること」を軸に置いて、面接の中で、その会社に入ってからの業務イメージが浮かぶのであれば、「できない」ということはないものです。
だとすれば、「できること」を軸において、面接で評価されたのなら、その会社に決めればよい、ということになります。
20代は、会社のブランドに目がくらむ
振り返ってみて、20代は、会社のブランドに目がくらみます。
一流企業と言われているところに入りたいと思うものです。
が、社会人経験も15年くらい積むと、一流企業に入ったとしても、自分ができない仕事だらけで辛い思いをするなら、
自分のできることで価値を発揮したほうが、たとえ辛い局面がこようが、それは乗り越えるべき課題としか思いません。
そもそも「自分に合ってなかったんじゃないか」、というような気持ちは起きないと思います。
「できること」が「やりたいこと」につながる
そしてこれも経験してみないと分からないことですが、自分が「できること」で職場で価値を発揮できているとするなら、「やりたいこと」を掴むチャンスは必ず来ます。
そのチャンスを逃さずにチャレンジしていけば、徐々に自分の「やりたいこと」に接近していきいます。
ちなみに私の場合は、「やりたいこと」に接近していったものの、やはりどうも上手く結果を残すことができませんでした。
その最中にいるときは、本当に辛かったです。
そして、結果として、「できること」に集中したほうが絶対にいいと思うようになりました。
「辛い」が続くと、本当に精神的に病んでいきます。
そんな状況に追い込まれて、半ば寿命を削るような思いをするのは、絶対に得策ではありません。
そこから将来の変な病気の種をつくってしまう可能性すらあるからです。
というわけで、「できること」に集中して次の仕事と出会っていったほうが絶対にいいと思います。
もちろん、それまでに「できること」を自分のなかで作るようにしておかなければなりませんが。
しかし面接官とのフィーリングは大切に
最後に、「できること」を中心にした場合の注意点を書いておきたいと思います。
それは、「面接官」や「会社」とのフィーリングを大事にする、ということです。
「できること」を中心に転職活動をすると、それを求めている会社との面接は進むと思います。
そのときに出てくる人とのフィーリングは大事にした方がいいでしょう。
なぜなら、職場で決定的にダメージを受けるのは、人間関係だからです。
たとえ「できないこと」で失敗したとしても、それを建設的に捉えて前向きな意見交換ができる上司であれば、そこまで辛くありません。
が、失敗のあとに、上司から徹底的に詰められて、責任をすべて負わされたりすると本当に辛いものです。
そんな人間かもしれない、という直感は、社会人を長くやっていると身についていると思います。
自分が明るい性格なのに、面接で出てくる人が暗い感じだと、入ってから衝突すると思います。
自分がサッパリした正確なのに、面接で出てくる人が、ねちっこい感じだと、きっと一緒に仕事をしていて嫌になります。
世間には会社の数は星の数ほどあります。その会社でなければいけない理由はありません。
ですから、そうした直感は大事にして、「なにか違う」と思ったら、次の会社を探したほうが絶対にいいと思います。