ソニー創業者(井深大)の幼児教育論で、忘れていることを気づかされる

一昨年に子供ができて、1歳5ヶ月になります。

徐々に言葉も話したり、対象物がなんであるかを認識したりしてきています。

そうなってくると、幼児教育というものをあれこれ真剣に考え出してしまいます。

そんなときに、まず私が読んだ本は、
ブログでも紹介してありますが、モンテッソーリ教育についての書籍でした。

ここでの学びは、
とにかく親は、子供の表情が輝く瞬間を見つけて、それが持続する環境を作り続ける。これをすれば、集中力があって自分で課題を解決していく大人に育っていく、というものでした。

とはいえ、このやり方だと、子供が嫌がることはしない、という方針になるため、躾などはどうすればいいのか、ということに疑問を持つようになり、

さらに新たな幼児教育の本に当たる必要を感じました。

そんなタイミングで出会ったのが、ソニーの創業者の井深大氏が記した、『幼稚園では遅すぎる』という本でした。

まずは著者(井深大氏)の時代背景に注意

この書籍、Amazonのレビューにも書いている人がいますが、ひとつ注意しなければなりません。

それは「幼児教育」の主語が、すべて「母親」であるという点です。

これによって、この本に対して嫌悪感を示す読者もいるようですが、ソニーの創業者である井深さんが生きた時代は、1908年(明治41年) - 1997年(平成9年)です。

よって、壮年期を昭和の戦後に過ごしたとすれば、男は外女は家庭の時代ですから、必然、家での幼児教育の主語は母親になるのはやむなしだと思います。

このことを念頭において、今の平成31年では、父親も育児にかなり参加するようになってきていますから、当然ながら、主語は、父親・母親の両方と言えます。

まずはその点についての認識を改めて、この本に臨まないと、母親一辺倒であることに嫌悪感を抱いて、せっかくの内容が全然頭に入らない、ということになってしまいます。

書いてあることは、0歳~3歳までにすべきことをまとめいる

で、この本の内容ですが、

モンテッソーリの本などは、年齢の幅を広いレンジで扱っていますが、ここではあくまで0歳~3歳です。

そして、書いてあることは、全体の概要からすると、

幼児の脳の脳細胞の配管は3歳までに決まる。3歳以降は、その配管された脳細胞をいかに使うかになる。だからこの配管が完成するまでの間に、できるだけ多くの刺激を与えて、いろんな方向の配管を作ってあげよう。

というものです。

この多くの刺激において、音楽や運動や、英語やピアノや、友達との遊び・・・ということを多岐にわたって紹介しています。

そしてこれらに興味を示した子にとっての一番の邪魔は、大人の「まだ早い」という感覚だと言います。

幼児は、驚くほどのスピードで成長するのと、まだ脳のなかが白紙に近いので、大人がちょっと難しいとか、危ないと思うことは、またたく間に習得してしまうようです。

そうやって、子供ができることをどんどん増やしていってあげることが、子供の可能性を無限に広げることになるとのことです。

その他、「やったほうが良いこと」「やめた方がいいこと」が、様々な分野について書かれていますので、幼児教育がこれから、という人には是非いちど読んでおいた方がいいと思います。

ちなみに、私がグサリときた言葉は、

努力をはらう覚悟がなくては、幼児教育は成功しないと思います。

という言葉でした。私は自分自身に、忍耐強く向き合うとかいう感覚はありますが、努力をはらっているか、というとその感覚はあまりない自分に気づきました。

ということは、努力をしてない、ということです。なんとなく付き合っているだけなのです。

そういうことを気づかせてくれただけでも、この本を読んでよかったと思います。

幼児教育は学歴エリートを育てることにあらず

ちなみに、井深さんの「幼児教育の唯一の目的」は、「柔軟な頭脳と丈夫な体を持った、明るく素直な性格の子に育てるため」となります。

これを目指せば、受験エリートも生まれるでしょうが、受験エリートを目的とした幼児教育は、ひねくれた子を育成してしまうと警告しています。

このことは忘れてはいけないと思いました。

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