家事育児で 分担ルールを完璧に決めようとするのが不仲の素

自分が家事育児をやる中で、家庭内がうまく回るために気づいたことがあります。

それは、特に「家事」部分の分担においては、基本的なルールがありつつも、手が空いている方が、忙しくしている方の担当をやるようにするとうまく行く、ということです。

そして、完璧な分担ルールを決めると、特に「育児フェーズ」に入ってから、これは確実に破綻すると気づきました。

仕事のプロジェクトマネジメントで学んだこと ~拾えるボールは役割に関係なく拾うと 皆元気~

もともと、私は仕事でシステム開発のプロジェクトマネジメントをしていたので、タスクを洗い出してそれを人に依頼すると言うのは 長けていました。

そこでプロジェクトの現場で、うまく行ったときのことを思い出してみると、

なにかチームの外に報告しなければならないときなどの資料作りで、プロジェクトの担当メンバーが作成したほうが早いと思われるときでも、

私でも作成できると思った時には、私の方で資料作成等は全部巻き取って、とにかく、「その人しかやれないこと」に集中してくれ、というスタンスにしました。

私自身が、こういう振る舞いを出来るようになってからのプロジェクトは、ほとんど炎上せずに完遂していましたし、チーム内は元気でした。

逆に、
担当者に 報告用の資料作成といったタスクを振って、担当者から期日までにあがってこないことで、ずっとその人にプレッシャーをかけているようなプロジェクマネージャーのチームは、

横目で見ていて、ほとんどの場合、炎上するか 担当者が死んだ顔(疲れ切って無表情)をしていて、プロジェクトが終わっても誰も喜んでいなかったように思えます。

育児は絶対に母親に偏るので、家事の分担を決めてはダメ。

以上のような次第で、たとえしんどくても、遺恨を残さずにうまく回るためには、分担を完全にルール通りしようとせず、拾えるボールはできる人が拾う、というのが肝だと思います。

このことを家事育児に当てはめてみるとこういうことです。

はじめ、家事においては、結婚当初は、共働きで50:50の家事分担ルールが実現できると思います。

そしてもし子供が産まれて育児フェーズに入ると、分担ルールはすぐに破綻します。

育児は、実際にやってみれば分かりますが、逆に、やってみないと分かりませんが

どれだけ分担をしようとしても、子供が「母ちゃんでないと嫌」「父ちゃんでないと嫌」という時期があります。それも一度切りではありません。何度も繰り返されます。

加えて、寝かしつけ、ご飯を食べる、保育園の送り・お迎え、等々のなかで、「あれは父ちゃんと」「これは母ちゃんと一緒にやる」となるわけです。

そして、これを無視すると、泣き止むことなく育児は進みません。

つまりは育児は、予め分担ルールを決めたとしても、絶対に分担通りに遂行することはできないということです。

この状態で、家事のほうの分担ルールを50:50のままにしておくと、子供から指名が入っているほうが、多大な負担を強いられます。

そして、おおよそ子供の指名は、母親のほうが多いです。

家事分担ルールはここに至って確実に破綻します。

そして、指名が入っていない方が手が空くわけですが、これを「はじめに決めたルール通りだから文句ないでしょ」と淡々と動けるのはロボットだけで、人間である以上は、絶対にそこに不満が生まれます。

ゆえに育児フェーズに入ったら、育児の負担に応じて、家事の分担比率を変えるべきなのですが、

分担比率をいちいち取り決めているほどの時間などは当然ありませんし、必ずモレます。

だから、手の空いている方がやる、とするのが、いちばん臨機応変に柔軟に対応できて 家庭が落ち着きます。

夫側が意識を変えなければいけない。スマホやテレビは タバコ級に「百害あって一利なし」

そして、意識を変える量が大きいのは夫側です。

なぜなら、どうしても育児が母親に偏るのであれば、少なくとも家事は夫側に偏らせないとバランスしないからです。

よって「家事」だけに注目すると、これまで以上に多くを引き受けるのは夫側です。

ただ、私は これは引き受けたほうが自分のためだと、あるとき気づきました。

すべての家庭の夫に、「自分の時間がないとダメ」とか、「テレビを見ないとダメ」とか、「スマホは見ないとダメ」とか、「ゲームができないとダメ」とか、ケースバイケースの「自分の時間が必要」な理由があると思いますが、

これらはタバコと同じなのです。

上記のことなど、自分にとって精神的にも肉体的にも何もメリットはないし、中毒性はあるし、相手の不快を引き起こします。このことは、タバコとほとんど同じであることに気づきました。

一方で、もし家事・育児をどんどん引き受けると、

自分の家事育児スキルは上がるし、「面倒なことを平常心で出来るようになる」と心が鍛えられますし、相手は不快に思わなくなるし、スマホとかテレビとかの中毒性を弱めることができるし、何より、

相手の大変さを経験するので、以降、家事育児の分担を話し合うときに、建設的な議論が可能となります。

以上のようなことから、夫側はどんどん家事・育児を巻き取っていった方がいいと思います。

妻が育児に追われているとき、「いま自分ができることは何か」というスタンスで、家事ボールを拾いにいけばいいだけです。

そして不思議なことに、やっているうちに、本当に「自分の時間への未練」が無くなるものです。

そして、自分の時間を、自分のために使うより、誰かのために使った方が有意義だと思えるようになってくるのでした。

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