過ぎたる便利機能にニーズはない。 ※シャープ複合機のCMの例

最近見たCMの中に、SHARPの複合機のものがあります。

目に留まった機能としては次のようなものです。

・タッチパネルで印刷物のあるページだけ回転させる
・あるページを別のページの写真にしてしまう

これらの機能、始めは「すごい便利!」と思ったのですが、ちょっと考えると全然使わないことに気づきました。

この複合機、実際のニーズを考慮しなかった典型と思われます。

具体的なニーズを想像できてない典型的な例

ひとつ目については、そもそもそんな印刷をするケースなど、殆どないと言えます。

実際は、今日のビジネスの現場では、電子ファイルを印刷することが殆どだと思われるので、このケースはあり得ないでしょう。

また、紙から紙への印刷をするとしても、タッチパネル上で一枚一枚、上下を確認するのと、紙でパラパラめくって確認するのと、どちらが早いでしょうか。

私は、自分の部下なり誰かなりが、タッチパネル上でそういう最終チェックを行っていたとすると、紙で確認してから印刷するように指示すると思います。

タッチパネルで確認などしていたら、時間が膨大にかかるからです。

あるページを別のページにはめ込むのも似たようなものです。

この作業を、最終的に印刷する直前でするようでは、資料のチェックやそれに関わる仕事の進め方を修正すべきであって、複合機のタッチパネル上で修正するものではないと思います。

だいいち、こんなことをしたら資料内のページの整合性なども全部ずれてしまうでしょう。

というわけで、上記の機能については、利用シーンがまったくイメージできません。

メーカー本位の便利機能の押し売り。誰も振り向かない。

このCM、「何でもできる」や「ちょっとした便利」をアピールしたいのかもしれません。

確かに、これまでの複合機にはない便利な機能だと思います。その点で、差別化を強調しているのかもしれません。

が、そこまでの便利機能をよく使う組織があるとしたら、それは駄目な仕事の仕方をしている組織であり、実際には殆ど皆無なのではないかと思います。

そうい視点が、この複合機のCMには抜けていると言わざるを得ません。

私は、SHARPが嫌いなわけでも何でもありませんが、この製品、過ぎたる機能は誰も使わない、の典型例になるように思います。

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