人生も40年くらい生きていると、科学の外の経験則というものが幾つかあるものです。
「病は気から」
というのが私は一番大きいですが、すこし体調が悪い時に、体温計で熱を計って「実際に熱がある」となると、そのまま悪化する確率が高いです。
が、体温計で熱を測らずに、市販の症状緩和の風邪薬を飲んで普段と同じようにしていると、次の日に悪化することはほぼ無い、というものです。
また、「運のいい日に賭け事をすると当たりやすい」というのもあります。
自分の努力に関係ない運が良いことがあった日(私の場合は、ビックリマンチョコのヘッドが当たるという夢が正夢になった日)にパチンコに行くと、25連チャンくらいの大当りをしたということがあってから、「引きが強い」とか「持っている」とか、そういうことをうっすら信じるようになっていました。
ちなみに、パチンコは今ではやっていませんが、その後も「運がいい」と思われる日に行くようにしていて、合計で20回は行ったと思いますが、トータルは勝ちで終わっています。
そんな経験を実際にしたうえで、この度、中村天風と言う人の本を読む機会を得まして、
ここには、その「運」とか「気」に関してのことが、大真面目に書かれていましたので、目から鱗と言う感じでした。
ちなみに、この中村天風と言う人は、知っている人は、知っている人らしいのですが、松下幸之助なども師事していたようで、その教えは確かな実績があるようです。
ちなみに読んだ本はこちらとなります。
森羅万象は宇宙が生み出すもの、ならば、人間もまた宇宙が生み出したもの
この本のなかにある以下の記述のところで、私は「はっ」としました。
たったひとつの、宇宙の本体が生み出したものが、森羅万象である。
したがって、森羅万象を包含している宇宙も哲学的に究極していくと、現象界に存在する一切の物質もこの宇宙本体から産み出されたものなのである。
と同時に、科学的に考えてみると、一切の森羅万象と称するものは、宇宙本体のエネルギーの分派によって作られている。形が、つまり目の前にあるというのは、宇宙本体の力が、まだ籠もっているからである。
その力が抜けてしまえば、形を現象界から消して、根元要素に還元しなければならない。人間の死というのも、そういうことなのである。
『運命を拓く』(中村天風)
これは、普段は絶対に意識しないことですが、よくよく考えるとこの地球は宇宙に浮かんでいると言うことを忘れがちです。
その地球上の生き物が、宇宙と関係がないと言い切ることはできないと思います。
そして、細かな記述は省略いたしますが、この本で言っている事は、
人と宇宙はつながっているのだから、
その宇宙のエネルギーは、人間の心の鋳型に流れ込んでくることによって形を得てそのエネルギーが発現する、という見方があり、これを著者は真理だと言い切っています。
つまり、心が積極的であれば宇宙から積極的なエネルギーが流れ込み、本人のみならずその周りも積極的な雰囲気になっていくというものですが、
心が消極的であれば同じように、消極的なものになっていくというものでした。
心がけが消極的な人は、運が悪かったことを思い出した
そんな文章を読みながら、この本の中で、
心がけ次第で、より良いものを引き付けるもするし悪いものを引き付けもすると言うことを改めて意識させられた次第なのですが、
振り返ってみると、かつての仕事上で知った人の中に、とても運の悪い人が何人かいたことを思い出します。
そのときは、ただ確率論的に「たまたまそうなだけ」と思っていましたが、この本を読んで振り返ってみると、引き寄せていたのだなぁ、と見えるようになりました。
なぜなら、なかには明らかに確率論を超えた「不運の発生率」の人がいたからです。お祓いに行ったほうが良いんじゃないですか?と言った記憶もあります。
そして、これらの人は、今にして思うと 心がけが褒められたものではありませんでした。
そういう人たちは、歪んだ優越感を持っていたり、非常に自己承認欲求が強かったり、やることに常に見返りを求めているようなところがありました。
つまりは、心がけとして、いつも私利私欲がその土台を成している印象だったのです。
心がけを変える方法:言葉づかい
そして著者は、この「心がけ」に絶対的に作用するのは「言葉づかい」だと断じています。
「言霊」という言葉を社会人になって何度か出会ったことがありますが、それも、この本を読んで、なるほど、と思うに至りました。
つまりは暗示なのです。
言葉は普段使うものなので気になりませんでしたが、普段使うだけに、日々の影響は極微であるけれども、それが心に鋳型を少しずつ作っているのです。
言い換えると、潜在意識に、「そのように感じろ」という型を打ち込んで行っているのです。
そして結果的に、「普段の言葉遣い」→「潜在意識に影響」→「実在意識(顕在意識)に影響」となるのです。
これなどは、いまパッと卑近な事例が出てきませんが、
会社なんかにいる、あまり良いとは言えない境遇の人の口癖に耳を立てると、その「言葉遣い」のネガティブであることは間違い無いでしょう。
このことを、本では以下のように記述しています。
人間の精神生命の中には、暗示の感受習性と言うものがある。
だからたった一言をいうのも、この暗示の感受習性というものが、必ず、自分が気がつかなくても、ものの声に応じたように感じる。
感じると同時に潜在意識に対して、そのとおりの状態が働きだすのである。
『運命を拓く』(中村天風)
潜在意識の状態が実在意識の状態に同化してくるのである。
そして、その結果が気高い言葉、神聖な言葉であり、言い換えれば、積極的な言葉を表現した場合には、生命の一切が極めて状態のよい事実になって現れてくる。
けれども、万が一、消極的な、怒り、悲しみ、悶え、迷い、そして悩みが遠慮なく口から出されているという場合には、もう怖ろしい結果を神経系統の生活機能に与えてしまうのである。
『運命を拓く』(中村天風)
自分への戒め
私も、プロジェクトマネージャーとしての社会人歴が長いので、つくづく思うこととしては、
消極的・批判的な言動は、事態を良い方向に動かすことはありません。
そして、「できない」と言うのではなく、そのなかで「できることは何か」ということを言って実行に移し続ける限り、事態が悪い方向に行った記憶はほぼありません。
それが結局は、現状において「できること」に他ならないからです。
そして「できることは何か」を言い続けていた結果、とあるプロジェクトでは、打ち上げのときにチームメンバーから、「打ち合わせではいつも元気をもらってました」と言っていただいたことがあります。
自分は元気を伝えようという気持ちはまったくなかったのですが、積極的な態度そのものが、周囲にはそのように感じられていたということです。
これなども、この本に書かれているようなことに近い経験なのだと思いました。
というわけで、これからも常に前向きで、そして私の心がそう思うようになる「暗示=普段の言葉づかい」に、常に慎重な注意を払い、いかなる時にも、積極的以外の言葉を使わぬように心がけようと思いました。