私はいわゆる大企業に所属しています。
そのなかで、新規事業を検討する部署にいます。
現在の考え方の主流である「リーン」にサービスを作っていった方がよいと考えており、それを実践しようとしているつもりでおります。
が、やはりサービスの立ち上げがなかなか上手くいきません。
そんなときに、「ランチェスター戦略」という、弱者の戦略で有名な考え方を思い出しまして、その本を手にとって読むことにしました。
なぜなら、どんなに大企業であれ、立ち上げたばかりのサービスは、弱者だからです。
ランチェスター戦略における「戦い方」の原理原則
この本を読んで、目からウロコといいますか、ハッキリと自覚したことがあります。
それは、どんな戦いでも、数の大小による勝敗の原理は変わらないということ。
弱者の戦い方は、その大小が逆転する局地を選択して戦うことでした。
他にも、この戦略には原理原則があるのでしょうが、私が特に腹落ちしたのはこの2点でした。
もう少しいえば、最新の武器(自分たちの差別化要素)が必要であったりするわけですが、
たとえばITサービスでは、武器に相当するテクノロジー部分で差別化をするというのは難しいわけです。
そのテクノロジーの上に乗ったビジネスモデルや、コンセプト、スピードといったものが差別化要素となります。
そうすると、ランチェスター戦略の「その大小が逆転する局地を選択して戦うこと」というのは、とても重要な要素であると私の目には映るのです。
私のいる会社は大企業だからこそ「戦い方」の徹底さに欠けた
ちなみに大企業にいる私が今までやってきた戦い方というのは、
とにかく大企業なので体力があるから、小さな弾をたくさん打って当たったものを育てていく、という以上の思想はなかったと思います。
この局地戦であれば、先行者よりも強いとか、そういったところまでは考えずに、
とにかく、マーケットのニーズを満たしそうなサービスを小さく試すということを繰り返していました。
あるいは、そのマーケットで成功している競合サービスを漫然と真似ることから始める、というようなことを繰り返したいたように思います。
失敗談:「小さく戦う」の意味を理解せずにただ小規模で戦っただけ
その結果は、失敗が殆どでした。もちろん、高打率はありえないものですが。
そして、まいた種のうちひとつだけ成功の芽が出ましたが、それは下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる、に等しいやり方で掴んだ成功だったと言えます。
なんと言っても、自分たちの企業は巨大で、背後に巨大な数があるので、前面にいる自分たちの数の小ささを本気で「小さい」と心のそこから意識していませんでした。
ゆえに、この小さなサイズでも勝てる「戦う土俵の選択」を真剣に考えることをしていませんでした。
なんとなく「この土俵だったら、芽が出るかも?」という、これで失敗したら終わり、という切迫感のある思考をしなかったと思います。
もちろん、そんなことをしなくてもいいのが大企業に属している特権かもしれません。
が、だからこそ、いつまでたっても新サービスが成功することがなかったのだと思います。
次からは「小ささ」を本気で認識すること
なので、次の企画からは、私は、「自分たちの小ささ」でも勝てる「戦う土俵」ということを真剣に考えたいと思います。
つまり、その土俵であれば、自分たちの弱小さと相手方の強大さが無効になるという土俵を。
そのことを考え出せば、自ずと自分たちの武器のことも、もっと細かく考えることになるものと思います。
これまでの自分は、「考えてない」なんてことはないと言いたくなります。
そのつもりは全然ありません。が、ひとつ言えるのは、「小ささ」を漫然と捉えていた、とは確実に言えます。
だからこそ、競合の猿真似も、徹底的に真似るでもない真似方をしたのです。
それが失敗したらオワリだなんて思ってないからです。
この点、とても反省して、次の企画に活かしていきたいと思います。