記憶の糸

仕事のできる人は段取り上手と言います。

段取りができているとは、要領がいいだけの人でも、調整力があるだけの人でも、作業が速いだけの人でもないと思います。

私は間近でそういう人を見てきましたが、その人は、すべてを持っている人と言えます。

要領もいいし、調整力もあるし、作業も速いし、人に仕事を振るのがうまいし、すべてです。

そもそもですが、仕事とはなにか。

それは、極論すると、ゴールまでの(交渉事も含めて)単純作業の連続です。

で、段取りとは何か。それは作業の集合を効率良く並べることと言えます。

ゆえに、仕事ができるヒトは、細かな作業レベルまで把握しているヒトのことだと言えます。把握している、計画し得るということは、その人自身がまずもって「それができる」ということです。

作業を進めるにあたって効率を考えると、要領がよくなります。

調整力があれば、その作業が得意な人に仕事を頼むことができます。

自分の作業が速ければ、その人自身が頭を使う時間を確保できます。

だから、頭を使って、次から次へと効果的な手段を検討できますし、考え抜かれた効率的なタスクを、人に振ることができます。

かくのごとき状態を、段取りがいいと言われた私の先輩は、作り出していました。

段取りがいいというと、ゴールまでの計画を立てることとあまり変わらないような感じを受けます。計画立案、スケジュールの線引きなど、そんなことは大手会社の新米プロジェクトマネージャーでも見よう見真似でできることでしょう。

が、そうではなくて、段取りがよくてそのとおりに本当に仕事を進めることができる人というのは、作業を熟知しており、交渉事もやり遂げるという、かなりの経験量が要求されて初めて可能となるビジネススキルの水準なのだと思います。

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