オンオフ

NHKのBS1スペシャルで、「コロナ メンタルクライシス」という番組をたまたま見ていました。

そのなかで、小学生の子供もちの男性が、在宅ワークでずっと家で仕事をしてて、仕事でのストレスに、家事育児のストレスも突き刺さって、メンタル不調で休職してしまったというセクションがありました。

総論としては、オンオフの切り替えができないので精神のバランスが崩れた、というものなのですが、本当に「オフ」があれば大丈夫だったのか?あるいはこの人にとっての「オフ」は何であるか?

ということが引っ掛かったので、自分なりに考えてみることにしました。

そもそも「オンオフ」がなぜ重要なのか

まず初めに考えてみたことは、そもそもなぜ「オンオフ」が必要なのかということです。

この理由は、脳のメカニズム的な観点から学術的な情報は、ネットでは見つけることができませんでした。

が、一般生活者の自分自身の身近な素材から考えてみたときに、ずっとオン(=仕事モード)だとすると、「脳」に注目したときに、インプット情報が1つの方向性を持ったもののみということになり、必然、記憶や発想力も、その「方向性」の狭さの影響を受けてしまいます。

これは仕事をする上では、バランス感覚や俯瞰的に物事を見て判断するスキルに悪影響を及ぼすと言えましょう。

また、「精神」という観点で見たときに、これは自分の実体験からとなりますが、

1つの仕事をしているよりも、2つ以上の仕事をしていて、そのいずれかは上手く行かなくても、他方で上手く行っている、という状況を作り出すことで、精神は非常に安定するとうことを知っています。

私の場合は、マルチタスクが当たり前だったので、複数の業務をしていましたが、2つ目の仕事は別の部署との仕事だったり、兼務先での仕事だったりしたので、尚の事、自分の主務が上手く行っていなかったとしても、別の部署との仕事で上手く行っていたので精神的にはとても安定して、主務の方の仕事も続けられました。

「こっちで上手くいかなくても、あっちがある」という精神状態なのです。

1つしかやってなくて、それが上手く行かないとなると、ずっと不安や緊張状態を抱えることになるので、精神的に非常にキツイ状態になるのではないかと思います。

で、この「2つ目」を「オンオフ」に当てはめてみると、プライベートの「オフ」に相当することになり、プライベートは暗黙的に「上手く行っているもの」とするのであれば、誰でもこの「2つ目」を持つことで、精神的な安定を得ると言えるのではないでしょうか。

これが「オンオフ」が重要である理由だと思われます。

「オフ」中身について考えてみる

なるほど、そう考えると、「オフ」は、ある意味では、自分の精神上ネガティブなダメージがないこと、ということが条件となりそうですが、

だとすると、「オンオフが必要」と言われても、「ずっと同じオン状態」にいることが問題なのではなく、それが本人にとってネガティブに作用する事態になり かつ その状態がずっと続くと、問題が発生するということになりましょう。

なので、もし仕事が、本人にとってネガティブな問題がないとすると、極端な話、仕事が楽しくて没頭する、というのであれば、「オフ」は全然必要ない、ということが言えるのではないかと思います。

ということは、「オン(仕事時間)」に対する「オフ(仕事以外の時間)」という一般的な括りで「オフ」を持つべきなのではなく、「精神的にネガティブなことがより多いであろう仕事」に対して、「楽しみといったポジティブな感情を抱けるようなこと」、が「オフ」の中身であるべきであり、これが重要ということになります。

よって、「オフ」と言いながらも、普段の生活に楽しめるものがないとするならば、その人は結局いつでもメンタルクライシスに見舞われることでしょう。

だから趣味があった方がいい。1人じゃない方がいい。

だから「毎日」ではなくてもいいのですが、楽しめるなにかを生活のなかに取り込んでおく必要があると思います。

毎週単位でも、毎月単位でも、なにか趣味のイベントを作ったり、習い事や誰かと会ったり、といったことが挙げられると思います。

四季ごとや、年ごとに何かをするでもいいと思います。

そう考えると、季節の節目にある地域の「お祭り」や、年ごとにある「初詣」なども、こうした人間のリズムを最大公約数として、太古から形作られた先人の知恵と言えるのではないでしょうか。

記憶の糸_過去記事季節行事があれば、みんな集まれる

ちなみに、私の経験からすると、1人よりも2人以上でなにかをやる方が、楽しみは掛け算になっていき、思い出にすらなります。

もちろん、そこまで楽しめる交友関係があるとして、となりますが、それがあれば、オンオフ問題でメンタルクライスに見舞われることも無くなることと思います。

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