緊張なき状態は対応力を失う ~ヴェネツィア共和国の歴史に学ぶ4~
これでヴェネツィア共和国の歴史について書くのは最後です。

で、内容は、大航海時代(1500年頃)からヴェネツィアが滅ぶまで(1800年頃)までの話になります。

陸上の大国(トルコ)の物量の前には単独では対処できなくなってきた頃から、わりと平和を享受して、最後はナポレオンという勢力に対処できなくなり、フランス共和国に降伏するまでとなります。

総括すれば、ある程度繁栄して、領地防衛のための戦争もあまりなくなり、戦争の緊張も条約によって取り除かれた状態が続いたとき、新たなパワー(軍事力)の前になす術がなくなっていた。というものです。

それを時系列でまとめれば、以下のようになります。(多少、記憶違いがあるかもしれません)

・大西洋の交易により地中海交易の位置が相対的に低下しても、食っていけることはできた。

・そのうちに、海洋貿易以外に、陸地の農園経営などで収益が多角化された。

・収益が多角化した結果と、トルコとの勢力均衡(緊張状態の緩和)が続くなかで
、地中海の領土における絶対防衛圏をなにがなんでも死守する姿勢が失われていった。

・この状態で、しばらく戦争もしない時代が続き(約100年)、突如としてナポレオンが出てきたとき、それに対応するだけの備えも、判断力と行動力も、失われており、ナポレオンの要求を前に屈服するしかなかった。

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ここから何が言えるかというと、悲しいことに、個人についても言えることではありますが、緊張状態にない状況に慣れてしまえば、対応力が失われてしまう。で、そこを突いてくる事態には、どう対応していいか分からなくなるのは、国家でも同じだということです。

とはいえ、個人も企業も国家も、本来、緊張状態を起こらなくするように努力するわけでありますが、それがある程度達成されてしまって、その状況に慣れてしまうと、新しい事態に対応できずに滅びてしまうとは、誠に冷たい真実だと思います。

なるほど、これまでの経験から、上の状態遷移は、個人の日々の仕事、企業の活動、国家の行動も支配していると言えそうです。

少なくとも、自分個人については、このような状態に陥らないように、注意して今後の自分の人生行路を進んで行きたいと思います。

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