この度、ニューヨークへ旅行に行ってきまして、そのなかで有名なメトロポリタン美術館へ行ってきました。
そして、改めて海外の美術館に来たら、日本の美術館との比較のうえで、つくづく思うことがあります。
それは、海外の美術館では、見たい作品を見たい人が見ているという感じです。
また、海外の美術館では、学校の授業かなにかで、子供達を連れて説明をしていたりという光景もあります。
つまり、海外の美術館では、美術館の利用方法が多様だし、それぞれの人にとってそれぞれの見方が存在している印象なのです。
日本のお年寄り、本当にその絵を「あなたは」見たいのですか?
ところが、日本の場合は、企画展がメインというのもあるでしょうが、美術館に来ている人は、まず自分の意志で絵を見ている感じがしません。
主催者側が見せたいとおりに、見させられている感があります。
過去ブログ美術館のインチキ商法とその奴隷たち
絵の見方も、特にお年寄りともなってくると、全員が、説明書きを読んで作品を見て、という、いかにも型にハマった画一的な鑑賞の仕方をしているようで異様です。
説明がないと、絵を見れないのでしょうか。
自分はこの絵が好きだから見る、この絵は嫌いだから見ない、という要素が微塵もない気がするのです。
しかも、「それ習作ですよ?見ても意味わからないですよね?」というものにまで、説明を読んで作品を見て、ということをやっています。
こういう光景を目にすると、「あなたは美術館に、見たい作品を見にきたのではないのですか?」と言いたくなります。
絵を見ることについて、自分なりには、何も考えていない人たち・考えたこともないであろう人たちが、鑑賞の仕方すら、自分たちの仕方ではなく、提供された見方に、言われるがままに従っていて、自分一人では観ることすらできないかのような光景が、誠に異様です。
そしてそれによって引き起こされる長蛇の列と、歩みの遅さに辟易します。
年寄りの時間つぶしのための美術館行きはやめてほしい
私は、海外の美術館で、若い人たちも多数いるのを目にして思います。
芸術に触れるべきは、年寄りではなくて若者であるべきだ。と。
美術館とは、見る人の感性を高める場所だと思います。
そしてこれから感性を高めた方がいいのは若者に決まっています。
過去ブログなぜ美術館に行くのか
年寄りは、病院の会話よろしく、時間つぶしで来ている印象がありますが、そうであるなら、あの長蛇の列と遅い歩みは、本当にうんざりで若者が寄り付かない一因だと思われますので来ないでほしいと思います。
「時間つぶし」の印象が違ってたらごめんなさい。
もし時間つぶしのために、美術館という空間が年寄りに占拠されるのであれば、年寄りの入場料を2倍にして、若者は半額。学生なんてタダでいいと思います。
若い人が美術館で絵に触れるということは、教育以外の何ものでもないのですから、若い人の教育費を年寄りが負担するという構造もひとつありではないかと思います。
なんとなれば、土日だけ2倍とか。
年寄りの時間つぶしの結果、混雑するから若者が寄り付かなくなっている現状があるとすれば、それはこの国の若者の感受性を高める機会損失だと思います。
そんなことを、海外の美術館を見ながら思いました。