記憶の糸

現状を変えようとする知的作業のとき、考えるにあたって登場する極は、

1)自分達の現実
2)自分達の理想
3)採用したい理論
4)採用したい理論と対置する理論

ではないでしょうか。

これらの中で、今後の自分達を「位置づけ」、そして具体的に何をすべきか、という風に話は進んでいくのだと思います。

ありがちなのは、1)と2)のみが登場するか、あるいは1)と3)のみが登場して、どちらかに吸い付くケースです。

すなわち、「いいところどり」をして自分達の現実にカスタマイズするか、「成功理論に無理やり適用する」かです。

後者は論外にせよ、前者もまた、柔軟性に欠く結果となることでしょう。

なぜなら、ひとつのやり方にまとめあげるというのは、それが通用しなくなったときに、甚大な混乱を招かざるを得ないからです。

※故に私は、上記の4つの象限の中で、これから取り組むプロジェクトや案件がどこに位置するのか、だからこのポジションで臨もう、というスタンスを提唱するものであります。

その根底には、孫子の次の言葉があります。事実自分は、プロジェクトを成功させたときは、このやり方に「なっていた」と、振り返って思います。

・戦闘態勢の真髄は、変幻自在で固定した態勢をもたないこと
・敵に態勢に応じて無限に変化させること

自分達のやり方に固執するのも、
成功理論をそのまま適用しようとするのも、
悪いところを直せばいいだけというのも、
いいとこ取りをすればいいというのも、

すべて、すぐに破綻すると思います。

理由は単純で、ひとつのやり方を確立しようとすることに他ならないからです。

※時と場合に応じた戦い方ができるために、少なくとも指揮官は、すべてを知ったうえで、ゼロベースで考えることができなければならないのだと思います。

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