記憶の糸
昨今の円高の状況をうけて、メーカーの海外移転の話がよく聞かれますね。それと表裏一体で、国内の雇用喪失が聞かれます。

そんな中で、キヤノンのコスト削減による、国内生産性の更なる向上策の話はうれしく思います。

※記事:http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK063731820111013

ところで、キヤノンは、コスト削減ということに対して、他の企業に比べて相当の経営資源を集中させているのではないかと思います。

経営は利益を出し続けて社会に還元して行くこと。利益=売上ーコストであることを考えると、コスト削減は言うまでもなく、相当重要な課題です。

これを正しく追求して、そして業績を伸ばし、国内の雇用も維持しているとなると、やはり凄い会社だと言えると思います。社内でも、コスト削減ということに相当に優秀な人を投入しているのではないでしょうか。

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私も業務コスト削減をプロジェクトマネージャーとして担当をしたことがあるから分かるのですが、コスト削減は、安易な解決策が実に多く転がっていて、泥臭い定量的な分析を経ないと、本当の課題解決策にはなかなかたどり着けません。

いま流行のクラウドでコスト削減とか、海外移転でコスト削減というのは、まずはじめに思いつく案ですが、最善の案でないことが多いです。

そして、どういう方向でコスト削減を実現するのか、という大方針もまた重要で、それがなければ、そもそも考える思考のスキームが異なってきますので、たどり着く解決策がぜんぜん違ってきます。

キヤノンは、おそらく社としてのコスト削減方針というものがあって、それがかなり明確なのではないでしょうか。

そのうえで、地に足のついたコスト削減を延々とやってきている土壌があるから、他の企業ではできないようなコスト削減を実現してきているのだと思います。

これからもキヤノンは頑張ってほしいと思います。

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