思考とは"思った所から考える"こと ※ロシアのウクライナ侵攻により明らかになった評論家の知性

2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻を開始しました。

そのおかげで、日本の政治家や評論家や著名人たちの「素の知性」が明らかになりました。

それは明らかに、その人が「何を至上の価値と置いているか」を暴露しています。

思考は、考えることそのものではありません。「何を思っているか」を頂点にして、後付けに「考える(ロジック)」があるという構造になります。

だから「何を思っているか」を、どの地点に置いているかで、その人の知性の「素の部分」が明らかになってしまうと言えます。

「とにかく人は死んだらダメ」が頂点の人

こうして見ると、下記のブログでも書きましたが、

記憶の糸国際有事に その人の素の知性が出る ~ロシアのウクライナ侵略時の橋下徹氏、本田圭佑氏、岸田首相、他~

橋下徹氏や、本田圭佑氏は、「とにかく人が死ぬのはダメ」ということが頂点にあって、そのための論理展開がなされています。

だから、ウクライナは降伏しろ、とか、西側は政治的妥協をしろ、とか、普通の感覚からすると下等で、ウクライナの人々を侮辱するようなロジックを展開しているのです。

これは典型的な戦後民主主義の平和ボケ左翼思想で、

国家と個人の間に断絶があって、国家が解体されても、自分や隣人の命さえ助かればよい、という思想なのです。

国家が蹂躙されると、奴隷のような扱い受けたり、その民族の活力が根こそぎ奪われる可能性が極めて高い、ということを想定していません。

※ちなみにアメリカだって、日本が未来永劫 アメリカに歯向かわないように、占領期に焚書坑儒をしました。水戸学の書物などは、日本人を精神的に去勢する目的のもと、この世から抹殺されています。江藤淳が指摘した「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」はあまりに残酷です。

もっとも、その状態でも命さえあれば良い、という価値観かもしれませんが、それは人間の本質とは全然違っていると言えます。

第二次大戦以降の、アジア諸国が独立を勝ち取っていった経緯を見れば、自分たちの集団の命が生き残ることのほうが、どうやら個人の命よりも重いようです。それは集団の命は、自分たちの子供・孫の命にまでつながっているからです。

「とにかく人が死ぬのはダメ」は、確かに人間の自然な感情です。

が、「未来でより多くの人が物質的にも精神的にも死ぬことを防ぐために、現在で(死を覚悟で)戦う」というのも自然な感情です。

そして、強大な暴力の前には、たとえ自分が不利であっても、「命を賭して戦う」となるのです。

身近なことで言えば、私も 子を持つ親として、この子が未来で 他者に蹂躙されるくらいなら、自分がまずはその他者に戦いに行く、となるのは自然な感情です。

そんな当たり前のことを踏まえて、それでも「ウクライナは降伏しろ」や「西側は政治的妥協をしろ」というのであれば、少しは論調も変わると思うし、断腸の思い的なものが入ってくるかもしれませんが、

そんなことは微塵も感じないので、橋本徹氏や本田圭佑氏は、たぶん、そこまで考えれないのだと思います。

「思い」の頂点が、とにかく「今現在でも誰も死んではダメ」だからです。

「損得勘定だけで世のなかは動く」が頂点な人

ちなみに、だいぶ以前、2010年頃の話ですが、

「人が死ぬのはダメだ」とは違って、「人は経済合理的に動く」ということを頂点にして、

北方領土(ロシア)や、尖閣諸島(中国)や、竹島(韓国)と対立するのは、交渉の仕方が悪いからだ、と言っている大前研一氏という人たちもいました。

そのときのことをブログで記録しています。

記憶の糸中国対応、「解決策は尖閣諸島の共同管理」という意見に一言

ちなみにこの人は、ロシアのウクライナ侵攻の直前に、こんな記事を出していたようです。

2021年12月3日、米紙ワシントン・ポストは、米情報機関が作成した報告書の内容などとして、「ロシアが2022年早々にも大規模なウクライナ侵攻を計画している」と報道しました。報道によれば、最大17万5000人を動員した多正面作戦になる見通しだといいます。

ウクライナ情勢をめぐり、米国や英国が相次いで現地の大使館職員の退避を発表するなど、緊張が高まっています。日本の外務省も、ウクライナ全土の危険情報を、上から2番目にあたるレベル3の「渡航中止勧告」に引き上げました。

情勢が緊迫してきましたが、大前研一学長は、ロシア側の損得を勘定した結果として、「ウクライナに軍事侵攻しない」と読みます。ロシアがクリミアを併合した時を想起させられるのですが、クリミアを併合した時との違いを中心に、大前学長が解説します。

※つづく・・・

もちろん、国際情勢はバランス・オブ・パワーによるところが大きいのですが、「経済のみ」を頂点としてロジカル・シンキングするとこういう結論になるということです。

「決められたことを守る」が頂点な人

ついでに言うと、我らが岸田首相が、ロシアが核攻撃で恫喝する事態を前にしても、「非核三原則の立場から核共有の議論は認めない」として、最終的な判断をどうする以前に、議論すら封殺するとしました。

岸田首相は、「人為的に決めた原則」を頂点としているのです。「憲法9条」を頂点としているのと思考のあり方はまったく同じです。

この人は、自分の頭で考えたことがないのだと思います。既存のスキームでより優れた答えを探すことしかできない受験エリートの代表のような知性です。

そんなことは官僚がやってればよくて、さっさと首相を辞めてほしいです。

以上のような次第で、

くれぐれも、誰かの発言に違和感を感じたら、まずこの人が頂点としている価値観は何であろうか?というところから想像してみて、

自分自身の価値観との違いを意識してみると、自分が振り回れることはないと思います。

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