記憶の糸
私はくだらない冗談は好きですが、それは冗談が許される範囲においてです。

今回の東京都知事選で、ほとんど冗談ではないかと思われるような舛添氏の主張があったので、この政治家は、そうなのだということを記憶に留めておくべく、ブログに残しておきたいと思います。

原発や社会保障などについての政策は、それぞれの有権者の思想・信条による判断かと思いますのでここでは取り上げません。

が、防災に関しては、あまり思想・信条というものに左右されるものではないと思います。だからこそ、冗談にもほどがあるという内容だと言い切れると思いますので、それを取り上げておきたいと思います。

以下、主張内容です。情報の出所は、日本記者クラブ記者会見の内容です。

舛添要一氏(@Youtube)

自身が厚生大臣として携わったインフルエンザ対策のときのような危機管理対策を考えている。

インフルエンザのときのように、TVを通じても、手洗いうがいの仕方を懇切丁寧に、幼稚園の皆さんから徹底するようにしたように、震災の危機管理に取り組みたい。

また非常事態には、高速道路を滑走路にできるようにしたい。そのためには、自分が長らく生活してきたスイスにならって、なるべく直線の道路を増やし、有事の際には、町内会に高速道路の中央分離帯を外すといったような協力をお願いしたい。この対策なら1円も税金がかからない。

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以上を見ますと、舛添氏の主張は、具体性はあるにせよ、インフルエンザの手洗いうがいの呼びかけ対策レベルを、建物の倒壊や火災といったような緊急事態にもスライドさせようというには、かなり無理があると思います。

加えて、実際の状況になったら近隣の町内会に道路の中央分離帯を外してもらうようにする、というのは、ほとんど妄想でしょう。

なるほど、スイスではそうかもしれません。が、日本の実情を考えると、住民が道路の中央分離帯を外していくなどという行動は、歴史的にも精神的にも、まったく準備が整っていないと思います。この日本において、スイスでやっているからやりましょう、というのは妄想です。

また実際に東京直下で、被害甚大な大地震が起きたとして、いったい都内のどの地域の道路をそのようにするのでしょうか。その対応をとるか否かという判断は、恐らく電気も、よって当然テレビも麻痺しているなかで、誰がそのときするのでしょうか。

あらかじめ定められた地域の人が、となるかもしれませんが、災害時の時間単位で人が死んでいく状況下、最も統制のとれた行動が求められるときに、最も統制のとりづらく、かつ、自分の生活に重大な心配がおよぶと思われる都民(町内会)にやってもらおうと発想が、ほとんど理解できません。

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一方で、田母神氏の方はこの点、さすがだと思います。

他国の災害時の緊急事態体制の事例を参考にしつつ、軍隊・自衛隊の出動と、その際の指揮系統が自動的に機能するような仕組みを作りたいと言っており、こちらの方がよほど現実的です。

田母神俊雄氏(@Youtube)

今の災害時の体制は、災害が起きてから、どうすべきかを議論していて、その間に刻々と亡くなっている人がいる。

諸外国を見れば、災害の度合いに応じて、警察・消防の対応範囲 → 軍隊の対応範囲 ということが規定されていて、災害がおきれば、意思決定の時間をとることなく、何をすべきかはあらかじめ決まっている。東京もそういう体制としたい。

日本の場合は、軍隊は自衛隊に相当するので、東京都と自衛隊の一体運用の確立に対して、自身の経験を役立てることができると思う。

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他、宇都宮氏(@Youtube)は、コンビナート地域の対策の重要性を述べておりましたが、基本的には「対策しないといけない」というに留まり、細川氏(@Youtube)については「対策します」というだけで、両者とも具体的な話は乏しかったように思いますので、割愛させていただきたいと思います。

日本の首都の顔が誰になるのか。。。都民として来週の選挙日を迎えたいと思います。

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