記憶の糸

大学受験のときに、夜遅くまで勉強をした記憶は、誰にでもあるものではないでしょうか。

そして、その時の勉強方法を踏襲して、社会人になってから資格試験に臨んで、時間がとれずに、勉強がうまくいかなかったというのも、誰しも経験するところであるかと思います。

なんといっても、社会人になれば、夜遅くまで勉強したら翌日の仕事に影響がでる。年齢を重ねるにつれて体力も低下していくので、高校生のときのような勉強の仕方は難しいというわけです。

私の場合、高校生の頃は、暗記をするにはとにかく紙に書きまくる。そうすると記憶の定着率は大変いいものでした。ですが、社会人になってこれを続けるのは不可能でした。紙にひとつひとつ書いて覚えていけるだけの時間がなかったからです。

そうなれば、勉強の仕方を変えるしかない。

満点狙いをやめて分野を絞ったり、暗記でいける分野とそうでない分野を分けてみたり。行き帰りの通勤時間で暗記の工夫をしてみたりと。

つまり、これまでとやり方ではどうにもならないときは、発想・やり方を変えるしかないと思われます。

こんなことを、転職後の仕事の仕方について思う今日この頃です。

※※※

この春に、私は新しいことをやりたくて転職をしました。

即戦力を買われて、希望通りの会社に入ることができました。

その新環境では、まずは自分ができることから仕事をやらせてもらっています。

上司と相談して、自分ができることをこなしつつ、徐々に新しいことへチャレンジをして行きましょう、という方針となりました。

ところが、新しいことへの手の出し方や準備において、これまでの社会人経験のなかでやってきたやり方を適用しようとしている自分がいます。

ある領域に精通してから、その領域を派生させた企画をしていくというものですが、そのやり方では色んな面で限界があると思ったから、新しい環境を目指したはずなのに、これまでとまた同じやり方を繰り返そうとしているわけです。

このやり方を仮に継続したとして、たどり着くのは転職直前の自分と同じ状況でしょう。

やはりここはひとつ、新たなことへチャレンジするには、今までのやり方を変えなければいけないのだと思います。

目の前の仕事を進めていけば新たな領域にぶつかるだろう、というやり方ではなく、

新たな領域を自分で設定する、あるいは、既存の領域のなかでも次の方向性を設定する、というやり方に変えていかなければならないのだと思います。

そのためには、「設定する」ということが求められるわけですが、これが自分にとっては大きな転換であります。

自分のこれまで、既存の領域を「拡大する」か「課題を見つける」が主なやり方でしたから、これらから一度離れなければ、「設定する」をできるようになれそうにありません。

そもそも「設定する」ためには、どういう勉強をすればよいのかも試行錯誤です。

しかも、慣れたやり方からすぐに脱皮できるとは思えず、しばらくはもがき苦しむ月日が流れることになると思います。

でも、この状況を打破するしかないのだと思います。

おすすめの記事