幼児教育についての本は、いろんな流派がいて、それごとに色んな具体的なやり方があって、子供に対して何をしてあげればいいのか分からなくなります。
が、この手の本の「ハウツー本」(●●な教育法という類の本)ではなくて、幼児教育論についての本を幾つか読んでいると、ある同じ考え方が根底にあることに気づきます。
それは、「体を動かすこと」と「興味を持ったこと(=子供の顔が輝くこと)をやり続けられる環境を親が整え続けてあげること」の2つです。
特に、後者のほうは共通する考え方だと思います。
モンテッソーリの幼児教育もそのようなものでした。
アグネス・チャンの『スタンフォード大に三人の息子を合格させた50の教育法』もしかり
そして幼児教育について、更に読み進めていくなかで、アグネス・チャンの3人の息子全員が、スタンフォード大学に進学した、ということを知って、
著作もあるということなので、これはひとつ教育法を知っておきたいということで、この本を購入しました。
そして読了したのですが、ここに書かれていることも、基本的にはモンテッソーリの教育論に近いものでした。
アグネス・チャン自身が、スタンフォード大学で、教育学の学位を取得しているので、モンテッソーリを知らないはずはありません。
著作のなかには、「モンテッソーリ」というワードは出てきませんでしたが、やっていることは、モンテッソーリ教育に非常に近いと思いました。
「興味をもったこと(=子供の顔が輝くこと)をやり続けられる環境を親が整え続けてあげること」
それが、アグネス・チャンの家庭水準では、こういうことだった、という内容になっています。
幼児教育の考え方抜きには、混乱あるのみ
そして思ったのですが、幼児教育の「親は子供の興味に合わせて環境を整え続けること」ということを知らなければ、
この手の本に書いてあることは、「あれをやればいい」「これをやればいい」という式の本になってしまい、
「そんなこと、うちの家庭には無理」という矮小な不満につながるのみだと思います。
「うちの家庭には無理」なのではなくて、そもそも子供は全員が違うのだから、その違いを伸ばしてやればいいのみなのだと思います。
その子の良いところを伸ばしてあげた結果、一流大学に行くのであれば、それもよく、それ以外の道に進むのであれば、それもまたよしなのだと思います。
日本人のHow TO本が好きなのには困ったものである
このアグネス・チャンの本の書評をAmazonで見ていますと、どうも「うちの家庭では無理」という意見や、「そんなやり方ではスタンフォード大学への入学は無理」という不満を表明する意見があるのですが、
それは結局は、幼児教育の根本的な考え方の部分を知らないから、そのような不満が出るのだと思います。
日本人は、どんな分野においても、誠に「ハウツー本」に飛びつきやすい傾向があると思います。
仕事にしてもそうです。
結果、表面的な「やり方」だけを知ろうとして、「考え方」を理解しようとはしないように思われます。
後者のほうが、即効性という点では、やや時間がかかるからでしょうが、本当に効力を発揮したら、応用が効くのは、「考え方」から理解した方です。
数学や物理にたとえると、公式を丸暗記するか、原理原則を理解して、その公式を導き出せるようになっておくか、の違いなのですが、
その方がいいであろう、ということに異論はないと思います。