日本社会について新たな危機感を覚えるようなことがありましたので記憶しておきたいと思います。
それは、政府(岸田内閣)が、電力供給の安定化という、社会インフラの重要事項についてすら、自分たちで意思決定を行わず、国民に丸投げしてしまったということです。
6月15日、岸田文雄総理(64)は通常国会の閉会を受け、記者会見。電気料金について「上昇幅を欧州の3分の2程度に抑えている」と自賛する一方で、「省エネと節電の徹底のための措置を早急に公表する」と述べた。
これを受け、政府は電力料金の負担を軽減するため、節電をした家庭や企業にポイントを還元する制度を導入する検討を始めた。前年より節電した家庭などにポイントを還元することを想定。ポイントについては、電力会社がアプリなどを使ってすでに実施している還元制度を利用する予定だ。電力需給がひっ迫する緊急時の節電には、ポイントの上乗せもあるという。
(以下、略)
2022年の冬に一度、首都圏における大規模停電の瀬戸際のときがありました。
それからかれこれ半年近く経っていますが、政府内から、この電力供給問題を解決しようというような動きはついぞ見られません。
代わりに、この夏の電力逼迫リスクに対して出てきたのが、
「ひとつの部屋に集まってテレビを見ましょう」だったのですが、
経済産業省は、この夏と冬の停電危機を乗り切るため、休止中の発電所を再稼働させるなどの対策をまとめた。
この夏、東北・東京・中部電力のエリアが10年に1度の猛暑となった場合、電力供給の余裕を示す「予備率」は、安定供給可能とされる3%に迫る3.1%と、ここ5年で最も厳しい予測になっている。
経済産業省は休止中の火力発電所を再稼働させる他、電力不足の恐れをいち早く周知する「電力需給ひっ迫注意報」を新設するなど、対応策をまとめた。
萩生田経産相は「ご家族でですね、この夏場、部屋別れてエアコンを使うのではなくて、テレビなど、一つの部屋に集まって見ていただくような、そこがちょっとづつの試みをしていただくことで、乗り越えて頂けると思いますのでご協力をお願いしたいと思います」と話した。
その次に出てきたのが、
「節電ポイントあげるから皆んな節電してね」という政策です。
これを愚かと言わずしてなんと言いましょうか。国民に、電力安定化を丸投げしました。
ハッキリ言って、岸田内閣は無能内閣です。
普通に考えると、東日本大震災以来停止している原発の再稼働が議論されてしかるべきです。
あるいは、なぜ原発の再稼働ができないのかを国民に説明すべきです。
そんなこともしないで、「ひとつの部屋でテレビを見よう」とは、脳みそのなかがゴミレベルです。うんこレベルです。
社会インフラの安定化に無能になりだした政府の行く先・・・
そして私の危機感は、
こうやって、まずは電力供給に対して、政府がその事態を改善する能力を失ったということは、
つぎはガス、つぎは水、つぎは道路、つぎは治安、つぎは消防、・・・となっていく気がします。
みんな自由化して、そして、政府は何もしない。自由化したのだから、それは市場原理に任せるべきことであり、政府は法的には責任を負わない立場。丸投げしてなにが悪いの?と、こうなるのではないでしょうか。
最後の砦は国防な気もしますが、国防について言えば、今時点でもシビリアンコントロールできるだけの能力は政府にはないのはほぼ明白です。
北朝鮮からバンバンミサイルを飛ばされても、ロシア中国に領空領海侵犯されても、「遺憾の意」しか言えませんので。
日本の没落は免れない。。。
坂口安吾や、三島由紀夫が言ったように、この国は底なし沼のように没落していき、唯一の希望は、没落しきった地点で、自分たちにとっての「真実のなにか」を編み出す以外にないのでありましょうか。
私には幼い子供がいますが、本当に将来の日本が心配です。