今時、記憶に頼らずとも、インターネットで検索すればすべての情報は取ってくることができる。
よって、我々の頭脳は、記憶はインターネットに任せ、よりクリエイティブ、より考える、ということに時間を費やすことができるようになる。
今はやりのビジネス書(大前研一氏らのようなコンサルタントたちの著書)には、明らかにこうした潮流があります。
確かに、私も実際にGoogleを利用したり、その他の便利ツールを使いながら、普段の仕事をこなしたりしています。
ノートやメモを使っていたころに比べて、ヌケモレはなくなったし調べる時間が劇的に短縮されたりと、仕事の全体的な効率が上がっていることは間違いありません。
ただ、それによって自分の記憶力の低下や、発想が乏しくなってきている、という状態になりつつあるという自覚もあったりします。
流行に乗って、仕事の仕方を実践してみたものの、パソコンに脳の機能の一部を預けることで、より『使える脳』になったと言えるのか?
こんな疑問を持ちつつ、最近手に取った本の中に、『フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる』というのがありました。
その中に、以下の記述がありました。
わたしたちは便利な道具を使いこなすことによって、より高度な活動をするようになったというよりも、今まで自分の脳を使ってやっていたことをやらなくなった。そうした側面の方が強いのではないでしょうか。
脳の機能は階層的になっていて、基礎の部分がしっかりしていてより高度な活動ができるものです。暗算のできない人が、計算機をつかえるからといって、高度な数学的思考ができるわけではないように、記憶力の低下している人が、インターネットを使えば情報を調べられるからといって、面白いアイデアがどんどんわいてくるということはありえません。
この記述によって、ずばり今の自分の疑問に対する回答を得ることができました。
詳細は、この本に譲るとして、このようなスタイルで物事を考えたり進めたりしていていは、脳の機能が退化していくことは間違いないようです。
これを防ぐ手段はいろいろあるみたいですので、自分の脳の退化を食い止めたいものです。
自分自身への警鐘として、この文章を留めます。