
人間の幅を広げるためには、経験が必要です。
私は以前のブログで、人間の幅を広げるためには、実体験の経験だけではどうしても不足と偏りが生じるので、読書が必要だと書きました。
式で表現すると以下のようなものです。
「人格」=「読書量(疑似経験値)」×「実体験の経験値」
なので、(疑似)経験値としての読書は、社会人になっても継続的にやり続けたほうがよいわけでありますが、ただ、どんな本を読んでもいいわけではないと思われます。
それは、疑似経験値が増やせるような本を読まなければならないということです。
目次
疑似経験値を増やすためにはどんな本がいいか
では疑似経験値を増やす本というのはどんな種類があるでしょうか。
私は、ジャンルは小説で、2種類あるのではないかと思っています。
これは今の自分の深化させる方向に沿って、疑似経験量が増やせると思います。
結果的に、自分自身の真善美の輪郭や基準をはっきり意識できるようになってきます。
これが分かってくると、「自分の心」との向き合い方が分かってきます。
そうすると、自分による自分の扱い方が見えてくると思います。
今年40歳になる私にとっては、こういう本を読むことこそ重要だと思っています。
40年生きていると、自分についての輪郭はおおよそ見えてきています。ただ、人の気持ちが分かるようになる、ということは割と意識的には取り組んでこなかったのです。
そもそも、「人格形成には疑似体験が必要」と思うようになったのも比較的最近のことなので、他者理解を本格化させるのはまさにこれから、というタイミングです。
なので、他人の気持ちが分かるようになるために、自分が共感しない本も読むことの必要性をとても大事だと思います。
たとえば、私は『コンビニ人間』という本を読みましたが、この本などは、登場人物のあり方をイチミリも共感することはできませんでした。
ただ、実際にそういう人がいるのだなぁ、と思えて、そしてそこにいる人はどういうモノの見方・感じ方をしているのかということを知れたことは、まさしく疑似経験値を増やしたのだと思っています。
疑似体験を増やせない本はどんなものか
一方で、評判がいいので読んでみた本でも、全然肥やしにならない本も多いです。
Amazonランキングや、本屋大賞のノミネート作品のランキング上位にあるもので、このテーマを読んでみようと思うものがあったのですが、ハズレが多かったです。
ハズレというか、読み物としては面白いのですが、何も得るものがなく、別の表現をすると、視聴率稼ぎのために毎回の展開が気になるだけのテレビドラマみたいな感じ?の内容が多かったように思います。
たとえば、『ツナグ』という本は、生と死がテーマなので、死生観について自分にはない気づきを求めて読みましたが、全然そこまで行かないようなペラペラの内容でした。
ただ、どうなるかを知りたいという気持ちにさせられるので、読書は進むのですが、読むほどに段々とミステリー小説みたいな感じで、私の目的とは全然違ったものでした。
『みかづき』という本は、教育格差の問題などを匂わせつつ、現在の教育観などで新たに知れることがあればと思ったのですが、これも「教育」を中心に置きたいようでもあり、それを取り巻く登場人物の人生ドラマを描いて惹きつけられるだけの内容だったように思います。
なので、教育観について何かを得たいと思って読むとペラペラでした。始末の悪いことに、分量が多い本だったので、読了したものの、本当に時間の無駄だと思ってしまいました。
というわけで、「人気」のランキングの上位にある本というのは、読ませる要素が大きくて、なにか人間を掘り下げるような要素はやや控えめなのであろう、という結論に達しました。
芥川受賞作品がよさそうであろう
そんなこんなで、さてこれから本選びをどうしたものかと思っていたら、会社でインターンをしている東大文学部生が、「それなら芥川賞作品がいいと思う」ということを言ってくれたので、これからはしばらく芥川賞作品を読んでいってみよと思っています。
そういえば、始めのほうに紹介した『コンビニ人間』も芥川賞受賞作品でした。
なので、芥川賞の本に期待したいと思います。
そして今読み出しているのは、又吉直樹さんの『花火』です。ちなみにこれは、その東大生から「面白かったですよ」という評価があったというのもあります。
ちなみに、直木賞作品はそういう本ではないということなので、読まないほうがいいということでした。
よくよく調べてみると、芥川賞は純文学、直木賞は大衆小説、という特徴があるようなので、改めて芥川賞受賞作品やノミネート作品を中心に読んでいこうと思います。
Wikipedia芥川賞
Wikipedia直木賞
ところで、私の年間の読書量は、約20冊です。
自分の読書欲のバイオリズムや、子育てで読書時間が通勤時間しかない、ということもあって、そこまで多くの本に時間を充てることができません。
なので、疑似経験値を積むという目的から外れた読書は、なるべくしなくて済むようにしていきたいと思うのでした。