記憶の糸
企業が定年後の社員を雇う再雇用制度は、国を生かすか滅ぼすか。

中長期的には、滅ぼすでしょう。もし再雇用の目的が、純粋にベテラン労働力の確保のみなら。

なぜなら、労働力としてのみ再雇用した場合、今のご時世、再雇用による給与や就労機会は、経済パイのどこかから廻さざるを得ず、それは若年層からとならざるを得ないからです。

結果、若年層において、未就労者は所得機会を失い、就労者は職業訓練の機会を失うことになるでしょう。そして中長期的には、全世代を通じてみれば、日本の産業競争力は低下を招かざるを得ないと考えます。

再雇用されて方々が本当に市場からいなくなったとき、伝承されるべき技術を担う人たちが育っていないからです。そしてそれが、ジャブのように効いてくる日が遠からず来るように思えてなりません。

※※
思いますに、企業はベテラン層のスキルを、「当面の利益確保」にではなく「長期的な利益の源泉確保」に充てるべきではないでしょうか。

再雇用制度においては、ベテラン技術の伝承に重きを置くことで、若い世代の育成を主軸に置くべきだと思います。

@日本経済新聞 3/1(月) 「本田の再雇用の拡充」記事を読んで

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