歴史に名を記録するのは何のためか?

歴史に名が残る人とはどんな人か。

この質問は正しくはありません。

後世の人が、歴史に名を残そうとする人は、どんな人か。

この質問が正しいと思われます。

・・・

では後世の人が、歴史に名を残そうとする人、それはどんな人か。

それは、月並みとなりますが、偉人であるといえましょう。

偉人とは何か。それは常人には達成できないことを達成した人であります。

常人に達成できないこととは何か。

それは卓越したことであります。

卓越とは何か。それは不可能と言われることを可能としたことであります。

・・・

では、それを記録する(歴史に残す)とは何を意味するのか。

それは、偉人もまた自分たちと同じ人間であり、われわれにも、そうしたことを成し遂げることができる力があるということを、とりもなおさず証明しておくことにあると思います。

過去の不可能なることを打破した人間がいるということが、また今を生きる我々にも、眼前の不可能と思われることを可能に転じさせることができ得るのだ、ということを鼓舞せんがため、とでも言いましょうか。

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このことをもっとも短く凝縮した次の言葉を記しておきたいと思います。

「人間」の概念を一層広く拡げ一層美しく充実することを一度可能にしたものは、このことを永遠に可能にするために、また永遠に現存しなくてはならぬ。(ニーチェ)

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