記憶の糸

先日、日経新聞に「携帯各社、なぜ学割強化」(2/21)という記事がありました。

記事の概要としては、携帯各社がなぜ中学生をターゲットにするのかその理由を説明していて、それは顧客囲い込みであるということです。

囲い込みを目的として中学生を狙う理由は、

1)学割・家族割引を抱き合わせて家族丸ごとの獲得を狙う
2)小学生までは購入の決定権は親にあり、中学生からは自分で選ぶ。
3)中学生はアルバイトができる高校生とは違い親がお金を出してくれる。

だそうです。

KDDIは、積極的に中学生のファッション誌に広告を出していて、中学校まで出向いて携帯の使い方を指導しているとか。

で、記事としては、「うちも学割サービスを導入して、優良顧客つくりを始めませんか」という文面で締めくくっているのですが、、、この現象が企業戦略として当たり前のように語られていることに対して違和感があります。

その違和感とは、顧客囲い込みを戦略とすること自体はいいと思うのですがその中身・次の点にあります。

・所得を持たない層への購買意欲の刺激

・親が子供の言いなりになることを見透かしている

所得を持たない層への購買意欲の刺激は、親が子供のいいなりになるという日本の好ましくない事情を利用しており、かつそれをエスカレートさせる感があり、如何なものかと思います。

法律も何も規制がないからしてはいけないわけではないのですが。つまりはこのあたりの判断基準が、モラルということではないでしょうか。

世の会社は、ビジネスの目的が、「金になるから」なのか、「何かの役立つ」なのかどちらのスタンスに大別できると思います。無所得層への商品は多くありますが、携帯は中学生にとってはまぎれもなく前者でしょう。

「金になるから」なら何をしてもいいというのは、ITバブルの頃にさんざん叩かれた企業がありましたが、これは株価の吊り上げや株主の損、法律への抵触があり、基準が目に見えるもので分かりやすかったからでしょう。

が、一転、目に見えない基準があるところでは平然と「何をしてもいい」が行われているような気がしてなりません。

「金になるなら」、親から金を引きずりだせる中学生の購買意欲を刺激しよう、というのは事実だとしてもすべきではないと思います。

私はこのような中学生狙いの携帯各社の購買戦略には疑問を呈しておきたいと思います。

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