明確な理由とはなんぞや。それは証明である。事実とロジックを駆使した説明である。
彼らは論理で攻める。地中海・大西洋のクロマグロ資源量はかつての15%に減少と。
日本は経験で攻める。今までどおりハエ縄漁法で釣れる、それはクロマグロが減っていることを示していないと。
仮にハエ縄漁法で釣れる数字が、よりクロマグロの資源量を示しているとはいえ、そのつながりが明確なロジックで証明されていなければ、どうして異邦人を説得できるのか。
ましてや日本の食文化を守るなどという理屈が、世界で通用することはまずない。ベルギーと組もうが韓国と組もうが、それは本質的な反証にはならない。
相手は定量的な土俵を作り上げているのに、こちらは「経験上」とか「食文化」といった定性的な土俵で戦おうとしている。
そもそも戦う出発点で間違っているのではないか。
ならばこちらも定量的な証明をしなければどうしようもない。
たとえ、絶滅危惧種指定が、資源囲い込みのカモフラージュだとしても、今の日本のやり方に彼らが耳を貸すことはあるまい。
彼らもまた、平然と自国の利益を守ってくるであろうから。