記憶の糸

先日、EUのギリシヤ騒動の本を読みました。

ユーロが世界経済を消滅させる日~ヨーロッパ発!第2次グローバル恐慌から資産を守る方法/浜 矩子

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この本からは、次のようなことを学ぶことができます。

 ・そもそもEUの生い立ち。

 ・貧しい国がEUに加盟すると何が嬉しいのか。


 ・リーマン前夜にEUで起こっていたこと。
 ・それが投資家にはどういうリスクがあるか。(低利融資)


 ・その状態でギリシヤが世界から金を集めると、何が起こるのか。
 ・ギリシヤが破綻すると、連鎖的にどこがどうなるのか。


 ・それが結果として、どういう世界状況を引き起こすのか

これらは大変勉強になったのですが、筆者が随所で「EUは羊頭狗肉」と言ってEUを批判しています。

ギリシヤの財政危機で、形だけの連合体が、見事に矛盾を露呈した。危機の中では、自国のエゴを追及する寄り集まりなど、浅はかな知恵であると。

金融政策がバラバラなのに、統一通貨なんて矛盾もいいところ。アイルランドの破綻もそれ見たことか。と言わんばかりです。

すべては事実でしょう。

が、だから私は、ヨーロッパ各国は政治的に強かなのだと思いました。統一を保つにせよ、やっぱりダメだったにせよ、それに取り組んできたことは、歴史的・地域的な遺産となって、彼らを一層強くするように思えてなりません。

著者は、共同体の理想は、「普段はバラバラ、危機に瀕して一致団結」と言っています。それは当たり前のことです。そして、そうはならないのが国家間の現実です。それも当たり前です。自国の利益を主張しないと負けるのが国際社会です。

が、そんな現実だから、なんとかルールを作るなり共同体を作るなりして、自分たちを安定化させよう。そしてそのためには、自分たちのより上位の機関がないと、どうにもならないというのが欧州の発想でしょう。

理想主義と現実主義を行ったり来たりする中で打ち鍛えられる精神は強いと思います。

もっとも、この書籍の本論は、EUの経済状況の分析なので、上記のような内容とは関係ありませんが。

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