ゲーミフィケーションによる子供の学習は害悪である

通勤電車で、乗っている車両のほとんどの人が、スマホをいじっている光景は異常だと感じています。

それが100%良くないことと分かりながら、皆やめられない光景にです。

で、このほど、スウェーデンの精神科医が書いた『スマホ脳』という書籍が出ましたので、読んでみましたが、スマホをやめられないことについて、明確な言葉を得ました。

それは「脳の報酬系のハック」ということでした。

つまりスマホをやめられないのは、脳の構造的に「見たくなる」ように仕向けられているというものです。

スマホゲームなどでは、「射幸心」ということを知っていましたが、「報酬系」というところまでは知りませんでした。

で、私は最近、3歳になる息子がいるのですが、彼は「YouTUBEを見たい」と言って止まりません。

そして見せると、YouTubeは、1つの動画が終わっても次から次と関連動画が出てきます。

そして、子供の「見たい」は終わることがありません。

本当に恐ろしいツールだと思います。視覚的な麻薬だと思っています。

そして最近、さらに気づいたことがあります。

学習教材で、ひらがなを覚えたり、数字を覚えたりするもので、絵をタッチすると道具から音が出る、というのがあるのですが、

これもまた、ゲーミフィケーションのようなもので、報酬系で釣っているだけ、と言えるのではないか、ということです。

そして、それが、そもそもの目的である「勉強ができるようになるのだろうか」、ということを少し考えてみました。

教材を使った勉強がもたらすもの

いまの私の息子は3歳なのですが、これをもう少し先の年齢にまで拡げて考えてみると、

この手の教材を使った学習の目的は、「当面の成績アップ」ということになると思います。

勉強をするのが嫌だった子供が、楽しく勉強をできるようになる、というものです。

これだけ見れば、「使った方がいい」ということになるのかもしれません。

社会人になって求められるもの

ところで、社会人になってから求められることはなんでしょうか。

それは一言で言えば「成果を出すこと」なのですが、「成果を出す」ために必要なことすべてを要求されるように思います。

業務スキルを向上させながら、知識を吸収しながら、チームで働きながら、日々の仕事をこなしながら・・・

といった具合に多方面について同時進行的に、です。

で、それらを遂行するための個人の中核となるチカラとは何でしょうか?

それは、忍耐強く継続することに他ならないと思います。

つまりは継続は力なり、ということです。

勉強の一番の効用は、コツコツと毎日継続することを体験すること

こう考えてみると、子供が学生のうちに経験して身につけておくべきは、

継続して努力を続ければ実を結び、継続しないと何も達成しない、ということの実感だと思います。

ということは、報酬系を刺激して、勉強机に向かうことに意味があまりないと言えましょう。

なぜなら、報酬系を刺激され続けなければ「継続」できない習慣になってしまうと、報酬系を刺激され続けることは不可能なので、早晩、継続できなくなるからです。

そして、言うまでもなく、社会人を経験している人なら分かると思いますが、仕事は、一夜漬けでやっているようだと100%「できない人」になっていきます。

継続した自己研鑽をすることによってしか、仕事はできるようにはなりません。

というか、継続した自己研鑽の量がある飽和量を超えるとき、いきなり目の前の仕事ができていくようになるものなのです。

そこまで、自分を律して継続して勉強や練習をしなければなりません。

が、ゲーミフィケーションは、こうした姿勢を教えてくれる要素は無さそうです。

しかし瞬間的には成績アップにつながるかもしれません。

だから害悪だというのです。

ゲーミフィケーションで大丈夫と錯覚させるからです。

仕事でいえば、短期的な成果のために長期的な成果を捨てているのです。

まずは、3歳の我が子のベネッセの時間を下げたい

ちなみに3歳の我が子は、ベネッセの教材をつかって、絵を押せば名前をいってくれたりするものをやっています。

これは次に何を言うか、であったり、翌月の教材ではどうなるか、というのが「報酬系に作用」されていると思われます。

なので、我が家では、このツールの利用を制限することにしたいと思います。

それよりは、やはり昔ながらの絵本の読み聞かせのなかで、文字や数字を覚えるようにしていきたいと思います。

幸い、絵本を読んでと持ってくるので、この子の可能性の芽はまだ摘まれていないと思います。

親として、そういう可能性を摘まない環境を整え続けたいと思います。

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