フェルメールを代表とする17世紀オランダ絵画について、ある哲学者の評価のメモ書きです。
彼ら(芸術家)は日常のとるに足らぬ対象物にも純客観的な直感を向けて、彼らの客観性と精神の平穏に対する永遠の記念碑を、静物画というかたちで打ち建てたのであった。
美的な鑑賞家はこれを感動なしに見ることはないであろう。
その絵はこれを鑑賞する者に、芸術家の心安らかな、静かな、意志から自由になった心的状態をまのあたりに思い浮かばせてくれるからである。
『意志と表象としての世界』(ショーペンハウアー)
絵画を、画家の内面の活動を抜きにしたただの「写し」としてのみ見る習慣の人には、新鮮な言葉ではないでしょうか。