記憶の糸
長らく籍をおいていたSI業界と、そろそろ別れ告げることになります。

業界としてマーケットが縮小していく状況が確実であるにも関わらず、少なくとも私の所属している会社は、この変化に対応できないのがほぼ明らかと判断したため、辞めることにしました。

振り返ってみて、今の業界で多くのことを学ばせてもらいました。とても感謝しています。

この業界では、経営課題に対して何をすべきかは、からっきし学べませんが、その「何」をいかに実現すべきかは大いに学べます。

そしてその「いかに」を実現するなかで「課題解決」「マネジメント」「システム構築」を学ぶことができます。

が、この「いかに」ばかりの仕事をしていると、自ら創造する力が萎縮していきます。

そしてそのうち「自分たちでビジネスを作る」というマインドがなくなってきてしまうのです。

人間は使わない能力は退化する。これは自然の摂理なのだと思います。

そして事業会社のIT投資が縮小したり、セールスフォースのようなクラウドが台頭すると、もはや受託開発のみでは、短期開発・価格競争のスパイラルから逃れられなくなります。

それは消耗戦です。

これを断ち切るか、最先端の波に乗るか、、、

それぞれの方針下でいくつかの採るべき戦略はあると思います。

が、今の会社はそれをやろうとしない。

たまに受注する規模の大きな仕事が、それらをしばらく忘れさせてくれるから。

しかしそうしているうちに、気づいてみたら自分たちの武器は何もなくなることでしょう。

そして潰れはしないが凡庸な企業に成り果てるのだと思います。

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