記憶の糸

締めくくりとして、福岡のセンスのよさや、どことなく厚みのある文化的空気がどこから来たのか考えてみました。

思いますに、「センス」や「文化」とは、何によって生まれ培われるのでしょうか。

それはやはり、人と会う頻度、そして相手に対してよく見せよう・見せる必要がある、ということにあるのではないでしょうか。

どこの世界の人間関係でもそうですよね。相手に対してよく見せるといいますか、「ちゃんと」接したり、遇したりというのはマナーの部分もあると思います。

と考えると、福岡については、地理的・歴史的にそういった背景がもろにあると言えます。

福岡は、はるか昔からアジアと接していた貿易港。アジア諸国からの訪問者に対して迎賓館的な役割を持っていた鴻臚館という外交施設が、平安時代からすでにあったようです。

鴻臚館跡資料館:http://yokanavi.com/jp/landmark/index/675


当時、外国の船を迎える鴻臚館@資料館

国内の人のみならず、外国人との接触がずっとあったということを考えると、「相手に対してよく見せる」という点において、日本のその他のどの地域よりはるかに経験値が高いのではないかと思います。

鴻臚館は平安時代ですが、金印の存在などを考えると、それより長い相当な歴史がありそうですね。

しかもなるほど、外国の使節を迎えるにあたって、こちらがその外国の服装をするということもありえません。やはり自分の国の正装をブラッシュアップしていくような形にならざるを得ないと思います。

そう考えると、センスで、自分自身に合ったファッションの人が多い、という所とつながるような気がしてきました。。。これは推測ですが。

過去ブログ:福岡、女性の洗練されたファッションセンス

というわけで、ひとつの結論として、福岡の歴史を振り返ったとき、長い間の国外の人との接触が、この地域のセンス(文化)を形作ってきたといえるのではないでしょうか。

鴻臚館から行政機関である大宰府へのルート@資料館

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