「褒める所だけ褒める」マネジメントは、ガン細胞になったら終わり

ここ2年ほど、とある会社のプロダクトの開発体制の立て直しに携わっておりました。

そこで、本当の本当に、自分を客観視できない人に関わり、ある人には異動などを勧めたり、ある人には降格を打診したり、ある人には業務変更を誘導したりしました。

そして、これら社員の皆さまが共通しているのは、

「自分はできている」という認識が強烈なのです。

本当に、組織的な成果を何も出していないのに、です。むしろ組織を混乱させているのみなのです。

で、手が負えないから、そのあたりの業務に精通している私のもとに来るわけなのですが。

そして、何人も何人も接して分かったことは、

彼らは、社会人のある時期から、「自分のダメなところ」を指摘してくれる存在がいなかったことに気づきました。

彼ら・彼女らは、褒められてきたのです。「ありのままの自分のうち褒めれる場所だけを」。

結果的に、「褒められない場所」を野放しにされてきたのです。

そして、その部分が、組織の生産性に悪さしだしたとき、その「褒められない場所」を矯正してもらわないと、組織全体に影響があることを、私は何度も話しましたが、どうしても理解されないのです。

やはり「私はやっている」と言うのです。

信じられないかもしれませんが、心の底から、その人は「褒められない場所の矯正」を、認識できないのです。

そのことズバリを指摘しても無駄でした。本人が、「だったら具体的に指摘してほしい」というから、

会議があった直後などに、「こういう発言・振る舞いが、皆さまに指摘されている点ですよ」と2度ほど立て続けに文章で送ると、

ある人などは、メンタルに不調が出てきたとか言ってきました。

アメリカから入ってくる聞こえの良いマネジメント手法に警戒すること

アメリカから「ポジティブ・フィードバック」などといったマネジメントが流れ込んできています。

が、アメリカでは、明日にでも解雇できると聞きます。日本ではそれができません。

この違いをハッキリと認識せずに、「褒められる場所だけ」を褒めるマネジメントは、中途半端な人材にほど、その「悪しき所」が助長されます。

結果、いずれ組織のガン細胞になります。

このことは肝に銘じておいた方がよいでしょう。

そして、気づいたら早めに手を打つべきです。

ガン細胞になってしまうと、本当に厄介です。

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