規模(人口・領土・資源)において小さな存在が、どうやって大きな存在のなかで自らを保ち、発展していったのか。
そんな典型例を、ベネツィア共和国の歴史に見ることができると勧められたので、読んでしまいたいと思います。
対象となる書籍は、『海の都の物語~ヴェネツィア共和国の一千年』(塩野七生 著)です。
この書籍、別の機会に別の人から、上記の「規模の小さな存在が…」がテーマの話のときに名前が挙がった本なのですが、ビジネスに置き換えれば、「新たな分野のサービス企画を小さく始めて、なにを判断基準に、どうやって大きくしていくか」ということに当てはまります。
というわけで、順番に読んでいって、学んだことをまとめて行きたいと思います。
まずは第一回目として、ベネツィア共和国誕生(AD700年頃)~コンスタンティノープル占領(AD1200年頃)の期間で、目に留まったことについて、まとめておきたいと思います。
共和国成立期
・外敵から防御しやすい場所に、その本拠地を構えること
・攻撃されたら反撃できるだけの軍備は持っておくこと
・組織に対して正統性を与えるようなシンボル(聖マルコの遺骸)を持つこと
交易のスタンス
・相手国にとって、必需品となるもの扱いを基盤とすること。奢侈品がメインであっては不安定。
・外部の政治環境の変動の影響を受けないよう、政治的な中立を保つこと。あるいは、その中立であることを保証してもらうよう働きかけること。
拡大期(コンスタンティノープル占領期)
・外部環境の変化で、自分たちの勢力伸長の機会と思えることには関与すること(第四次十字軍)
・自分たちが維持できる範囲や、なにを失えば自分たちは繁栄できないか、を明確にしたうえで、新領土の獲得や運営あるいはその放棄を判断すること