商業/政治の統治技術 ~ヴェネツィア共和国の歴史に学ぶ2~

第二回目の投稿は、商業・政治の統治技術についてです。

ヴェネツィアの特徴を挙げよと言われれば、それは、

 ・プロによる合議制
 ・権力/リスクの分散

だと思います。今の日本のような、民主主義とはちょっと違います。

統治技術(商業)

・新技術(羅針盤)の活用

→いかにして少ない人数による運営を成立させるか。そのためには利用できるものは何でも利用する

・中小企業の育成。大企業を優先すれば、産業が硬直化するが故に。

→それを国家レベルで取り組むということ。つまりは、自由経済の名の下に、放任していればよい、というスタンスではない。

統治技術(政治)

・政治にせいよ商業にせよ、プロによる合議制を優先する。決して、経験の浅い者に手綱を渡さない。

→それが最もリスクが抑えられ、責任が明確になるから。

・民衆の選ぶ政治家は、人気のある政治家であっても、優れた政治家ではないという認識がある

・意思決定の集団をつくるときには、その意思決定の目的に影響しそうな要因をできるだけ排除できるような人選の仕組みが考えられる

→「民衆による選挙」は、人気投票であって、上記のような人選には不向きであるため採用せず、独特な人選方法を採用した。

・既存の集団での意思決定が偏りそうであれば、それを抑制する組織を作る。既存の組織の構成員の人格の向上や洗練に期待しない。

→これがつまり「自分たちの手による政治」なのだと思う。日本では、欧米の民主主義の政治機構・制度を受け入れたのみなので、本当に自分たちの文化に根を生やした政治形態であるかどうかは怪しい。

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