「兵法」について説いた柳生宗矩自身の著作、『兵法家伝書』より、今日にも活きる言葉をメモしていきたいと思います。
下記は、最近、本を読むことの多い自分自身への戒めとして。
※※兵法家伝書 殺人刀より※※
大学(儒教の経書)は初学の門也と云ふこと。
凡そ家に至るには、まづ門より入る者也。
然れば門は家に至るしるべ也。
此門をとをりて家に入り、主人にあう也。
学は道にいたる門なり。
此門をとをりて道にいたる也。
しかれば学は門也、家にあらず。
門を見て家也とおもふ事なかれ。
家は門をとおをり過ぎて、奥にあるもの也。
学は門なれば、文書をよみて是が道也とおもふ事なかれ。
文書は道にいたる門也。
さるによりて、いかほど学問をし、文字多くしりても
道くらき人あり。
書に向ひてはよくよみ、古人の注のごとくよみながせども、
道理にくらければ、道をわが物にする事ならざる也。しかるとて、学びずして道にいたる事も又かたし。
学問してよく物をいふとて、道明らめたる人とも云ひがたし。
学びずして、天然と道にかなふ人も有る也。