成長段階の国家指導者についてのメモ ~ローマ帝国に学ぶ1~

どんな組織でも必ず成長し、そして衰退します。

でも、この衰退理由を明らかにし、再成長をすることで、持続的な発展を遂げる組織もあります。

その典型的な歴史は、ローマ帝国に学べると思い、塩野七生さんの『ローマ人の物語』を読み始めました。

まずはそこから、成長期の国家指導者(政治家、将軍など)について、塩野七生さんの文章から幾つか拾っていきたいと思います。

指導的な立場についた者ならば、遅かれ早かれ、人々の嫉妬と疑いと中傷を浴びないですまなくなる。
第一巻

兵士ほど、指揮官の能力に敏感なものはいない。無能な指揮官の下では、無意味に命を落とす。
また、指揮官不在の軍隊は戦力にならないことも、青年に達してから60歳まで予備役のローマ市民なら分かっていることであろう。
第二巻 

天才とは、その人だけに見える新事実を、見ることのできる人ではない。
誰もが見ていながらも重要性に気づかなかった旧事実に、気づく人のことである。
P127

人はみな、自分自身の肌合いに最も自然であることを、最も巧みにやれるのである。
P130

私は以前にある作品の中で、リーダーとして成功する男の最重要条件として、彼が醸し出す雰囲気がイタリア語ではセレーノ、日本語に訳せば晴朗にあると書いた。
P206

第四巻

真に優秀な弟子ならば、師のやり方を全面的な模倣では終わらせない。必ず、与えられた条件のオリジナルな活用も、忘れないものである。

歩兵と騎兵の双方を有機的に活用することによって、敵を包囲し全滅に持っていくというハンニバルの考えた戦術は、それを駆使したのがローマ側の武将であったとはいえ、有効な戦術であることには証明されたのである。
P82

第五巻

「無知な大衆とは、政治上の目的でなされることでも、私利私欲に駆られてのことであると思い込むのが好きな人種である」
P91

要は、教養の有無でも時代の違いでも文化の違いでもない。目的と手段の分岐点が明確でなくなり、手段の目的化を起こしてしまう人が存在する限り、この作戦の有効性は失われないのである。
第六巻

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