ゲーテという名を聞いて、どういう人物イメージを持つでしょうか?
ドイツの文豪、
『ウェルテル』を書いた大ロマンチスト、
『ヘルマンとドロテーア』を書いた幸福なる詩人、、、
さにあらず、ゲーテは人生に最も苦悩した人、
そしてそれに耐えた人であります。
彼は、戯曲タッソーにて、
「月桂冠とは苦悩のしるしである」と言わせ、そして何より、
晩年に自身の口から、エッカーマンにこう言っています。
ゲーテ自身の述懐 『ゲーテとの対話』より
私は、いつも、みんなからことのほか幸運に恵まれた人間だと誉めそやされてきた。
私だって愚痴などこぼしたくないし、自分の人生行路にけちをつけるつもりはさらさらない。
しかし、実際はそれは苦労と仕事以外のなにものでもなかったのだよ。七十五年の生涯で、一月でも本当に愉快な気持ちで過ごした時などなかったと、いっていい。
たえず石を、繰り返し押し上げようとしながら、永遠に石を転がしていたようなものだった。
「偉大を学ぶ」とはなにか?
改めて考えさせられてしまいます。
偉大な人に学ぶとは、いったいどういうことなりや?と。
「月桂冠とは苦悩のしるしである」
この言葉こそが真実なのでありましょう。